教会法概論

神学部

THE66000

コース情報

担当教員: 田中 昇

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 水2

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

出席状況

15%

レポート

40%

定期試験

定期試験期間中

45%

その他

本講座において十分な理解に達するためには,主に神学部で3年以上学んでおり,すでに教義神学,特に教会論,秘跡論ならびに教会史の科目およびラテン語を履修済みであることが望ましい。あるいは少なくとも同程度の知識を有しているか,並行してそれらの科目を履修することが望ましい。

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詳細情報

概要

現行教会法典は,第二バチカン公会議の最終文書と言われるほど現代のカトリック教会の教え,諸神学を体系的かつ実践的に法文化したものである。それゆえ本講義では,法学としてカノン法を学ぶのではなく現行教会法典を中心として構成されるカトリック教会における法の意味・内容・目的・適用方法の基礎を学ぶ。それは,特に教会に属する人々がそれぞれ固有の立場に応じて,教会の組織の中で,どのような任務が与えられているのか,どう生きるように導かれているのか実践神学としての教会法の基本的な内容を理解する。 なお本講座は,神学の初年度生は受講に適さない。秘跡神学,歴史,聖書,倫理神学,教会論などを総合的に扱う実践神学の分野である。そのため履修に際してはこれらを一通り学習し終えていることが望ましい。

目標

本講座では単に法律上の知識の習得をめざすのではなく,それぞれ教会が定める規則が具体的に何を目指したものであるのかを受講者が自分なりに考えられるようになることを目指す。とくに教会の教えが示すこと,つまり教会の求める生き方の原則をしっかり把握できるようになることを目標とする。

授業外の学習

毎回講義の後,指定する資料,教科書を見直し理解を深めること。参考図書をもとに各自それぞれが関心をもったテーマについて調べレポートにまとめる。現実の教会生活の中で起こる疑問・問題等を法的な視点から検証し解決策を考える実践力を養う。具体例は講義の中で提示するものとする。

所要時間: 1時間

スケジュール

  1. 教会における法とは何か:自然法と実定法など法の基礎概念
  2. 教会法の法源(fontes),教会法の歴史と変遷
  3. 現行の教会法典CIC 1983および東方教会法典CCEOの成立と構成
  4. 現行教会法の本性,目的,法典の構成
  5. 現行教会法典改正の原則ー現行教会法の特性
  6. 教会法における人:神学的・法的定義,法人と自然人
  7. 教会法における教会論,法人・組織機構,普遍教会と部分教会
  8. 教会法における自然人,聖職者と信徒,奉献生活者・修道者・在俗者
  9. 法律行為,教会の職務
  10. 教会における聖なる権能:裁治権と叙階権
  11. 教会における治める任務
  12. 教会における教える任務
  13. 教会における聖化する任務
  14. 教会法における制裁ならびに訴訟制度

教科書

ルイージ・サバレーゼ/田中昇『解説・教会法』(フリープレス,2017年)

  • カトリック新教会法典

    出版社: 有斐閣 1992年

  • Code of Canon Law annotated 4th edition

    出版社: Wilson and Lafleur inc. 2022

  • 教会法から見直すカトリック生活

    著者: 田中昇

    出版社: 教友社,2019年

参考書

各自の研究課題については必要に応じてそのつど参考文献を提示する。

  • 改訂新版 ゆるしの秘跡と内的法廷 −免償を含む実践上の課題と指針−

    著者: 田中昇

    出版社: 教友社 2021年

  • 普遍的倫理の探究 自然法の新たな展望

    著者: 教皇庁国際神学委員会

    出版社: カトリック中央協議会,2012年

  • 概説 西洋法制史

    著者: 勝田有恒,他

    出版社: ミネルヴァ書房,2004年

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