教会音楽II(典礼のテーマで学ぶ教会音楽)
神学部
THE50890
コース情報
担当教員: 宮越 俊光
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 金3
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
その他
①この授業は⾳楽鑑賞の授業ではありません。キリスト教典礼に関する基本的な解説を含むことを念頭において履修登録してください。 ②授業を4回⽋席した場合は不合格となります。 ③授業の後,毎回所定の締め切り⽇時までにMoodle 上でリアクション(課題)を提出してください。 ④就職活動や実習等で⽋席する場合はMoodleのメッセージを利⽤して事前に連絡してください。
詳細情報
概要
この授業では,教会音楽が実際に用いられる典礼(礼拝)のさまざまなテーマ(種類)に基づいて,そこで用いられる教会音楽の変遷・役割・目的について学びます。テーマとしては,ミサ・聖務日課(教会の祈り)・死者のためのミサ(レクィエム)・典礼暦年(待降節・クリスマス・四旬節・聖週間・復活祭など)などを取り上げる予定です。
目標
①教会で行われるさまざまな典礼に対応して用いられる教会音楽と,その発展,ならび多様性について学ぶ。 ②教会音楽だけでなく,典礼の構造や変遷,典礼暦年の構成と特徴,歌詞の内容とその意味などに関する理解を深める。 ③西欧文化と教会音楽の密接な結びつきについての理解を深める。
授業外の学習
①授業で紹介された楽曲をCD・DVD・動画サイトなどを通して視聴し,教会音楽に積極的に親しむことが望ましい。 ②キリスト教や典礼の歴史についても参考文献等を通じて把握しておくことは授業理解の助けとなる。
所要時間: 190分
スケジュール
- キリスト教典礼と音楽:キリスト教典礼の特徴,典礼における音楽の役割,祈りと音楽,ミサ・聖務日課・典礼暦年とは ※このスケジュールは予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数や内容は変更することがありうる。
- ミサの音楽(1):ミサとは,ミサの式次第と構成要素,ミサ曲の位置づけと変遷
- ミサの音楽(2):ミサ曲の位置づけと変遷,ミサ曲の各楽章(キリエ・グロリア・クレド・サンクトゥス・アニュス・デイ)の特徴
- ミサの音楽(3):現代のミサ曲,答唱詩編,続唱(セクエンツィア)の変遷
- 死者のための音楽(1):キリスト教における死の意味,キリスト教の死者儀礼の変遷,死者のためのミサ(レクィエム)とは
- 死者のための音楽(2):死者のためのミサを構成する音楽的要素,歌詞の内容と変遷,音楽作品としての「レクィエム」の多様性
- 聖務日課の音楽(1):ユダヤ教から受け継いだ祈りの伝統,修道生活と聖務日課の誕生・発展・構成,詩編唱和の伝統
- 聖務日課の音楽(2):福音の歌(ザカリアの歌・マリアの歌・シメオンの歌),テ・デウム(賛美の賛歌),聖母マリアの交唱の変遷
- 典礼暦年:キリスト教と時間の理解,典礼暦年の構造と特徴,日曜日の重要性
- 待降節とクリスマスの音楽(1):待降節(アドヴェント)の典礼と音楽の特徴,待降節に固有の教会音楽
- 待降節とクリスマスの音楽(2):クリスマスと降誕節の典礼と音楽の特徴,降誕節に固有の教会音楽,キャロルとノエル
- キリストの受難・死・復活に関する音楽(1):四旬節・聖週間・聖なる過越の三日間の典礼と音楽の特徴,受難の主日の音楽,暗闇(テネブレ)の典礼とエレミヤの哀歌
- キリストの受難・死・復活に関する音楽(2):主の受難の典礼の音楽,受難物語と受難曲の誕生・発展
- キリストの受難・死・復活に関する音楽(3):復活祭(イースター)と復活節の典礼と音楽の特徴,復活徹夜祭と復活節に固有の音楽
教科書
とくに教科書は定めません。適宜,資料を配布します。
参考書
『キリスト教音楽への招待-聖なる空間に響く音楽』
著者: 佐々木しのぶ・佐々木悠
出版社: 教文館,2012年
『キリスト教と音楽-ヨーロッパ音楽の源流をたずねて』
著者: 金沢正剛
出版社: 音楽之友社,2007年
『時代から時代へ-礼拝,音楽,建築でたどるキリスト教の変遷』
著者: エドワード・フォーリー
出版社: 聖公会出版,2006年