教会音楽I(歴史でたどる教会音楽)
神学部
THE50880
コース情報
担当教員: 宮越 俊光
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金3
形式: 対面授業
レベル: 200
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
その他
①この授業は⾳楽鑑賞の授業ではありません。キリスト教典礼に関する基本的な解説を含むことを念頭において履修登録してください。 ②授業を4回⽋席した場合は不合格となります。 ③授業の後,毎回所定の締め切り⽇時までにMoodle 上でリアクション(課題)を提出してください。 ④就職活動や教育実習等で⽋席する場合はMoodleのメッセージを利⽤して事前に連絡してください。
詳細情報
概要
この授業では,およそ2千年に及ぶキリスト教音楽の誕生・発展を学んでいきます。教会音楽は,それが用いられるミサなどの典礼(礼拝)と切り離すことができません。そのため,各時代のキリスト教典礼の特徴を概説したうえで,どのような教会音楽が実際に用いられたかを学びます。また,西洋音楽の発展にキリスト教音楽がどのような影響を与えたかについても考察します。
目標
①教会音楽が,キリスト教や西欧文化の歴史といかに密接に結びついて発展してきたかを学ぶ。 ②聖書の言葉や典礼で唱えられる祈りの言葉に含まれるメッセージが,音楽によってどのように表現されているかを考察する。 ③アジアやアフリカなど非キリスト教文化圏での教会音楽の受容についても学び,教会音楽の多様性を理解する。
授業外の学習
①必要に応じて,授業で紹介された楽曲をCD・DVD・動画サイトなどを通して視聴し,教会音楽に積極的に親しむことが望ましい。 ②キリスト教や典礼の歴史・用語についても参考文献等を通じて把握しておくことは授業理解の助けとなる。
所要時間: 190分
スケジュール
- 教会音楽とは:キリスト教と音楽,キリスト教の典礼(礼拝)における音楽の役割,教会音楽の多様性 ※このスケジュールは予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数や内容は変更することがあります。
- ユダヤ教の礼拝音楽:旧約聖書にみられる礼拝音楽と楽器,旧約聖書の儀式と音楽,詩編を歌う伝統
- 初期キリスト教と音楽:新約聖書にみられる音楽,初期のキリスト教共同体における音楽,古代教会の音楽
- 単旋律聖歌の時代(1):記憶から記録(記譜)への移行,ネウマ譜の成立・発展,音部記号と音高表示
- 単旋律聖歌の時代(2):グレゴリオ聖歌とは,修道院の典礼における音楽,中世典礼劇の誕生・発展
- 中世の教会音楽:単旋律の聖歌から多声部(ポリフォニー)による聖歌へ,オルガヌムの誕生・発展とノートルダム楽派
- ルネサンス時代の教会音楽(1):ポリフォニー聖歌の発展,ブルゴーニュ楽派とフランドル楽派の活躍
- ルネサンス時代の教会音楽(2):イタリア・スペイン・英国などでのポリフォニー聖歌の発展
- 宗教改革期の教会音楽(1):宗教改革の意義と教会音楽への影響,ルター派・カルヴァン派の教会音楽
- 宗教改革期の教会音楽(2):英国国教会の教会音楽,カトリック改革と教会音楽への影響
- バロック時代の教会音楽:バロックとは,通奏低音の役割,オラトリオの誕生・発展,英国・フランス・ドイツのバロック音楽
- 古典派~ロマン派の教会音楽:教会音楽の表現の変化と多様性,演奏される場所・目的の変化
- 日本の教会音楽:西洋音楽の伝来と日本における発展,キリシタン時代の教会音楽,『サカラメンタ提要』(1605年)の聖歌,歌オラショの伝統
- 現代の教会音楽:19世紀末からの典礼改革と教会音楽,第2バチカン公会議(1962~65年)による教会改革・典礼刷新と教会音楽
教科書
とくに教科書は定めません。適宜,資料を配布します。
参考書
『キリスト教音楽への招待-聖なる空間に響く音楽』
著者: 佐々木しのぶ・佐々木悠
出版社: 教文館,2012年
『キリスト教音楽の歴史-初代教会からJ.S.バッハまで』
著者: 金沢正剛
出版社: 日本キリスト教団出版局,2005年
『時代から時代へ-礼拝,音楽,建築でたどるキリスト教の変遷』
著者: エドワード・フォーリー
出版社: 聖公会出版,2006年