典礼の歴史と霊性

神学部

THE50870

コース情報

担当教員: 石井 祥裕

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 水4

形式: 対面授業

レベル: 200

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

15%

リアクションペーパー

15%

レポート

70%

その他

事業展開のため,各回,リアクションペーパーを求める(初回は自己紹介)。 レポートは講義の進展の応じての中間的小レポート(2回予定)と期末レポートの提出を含む(いずれも授業内で案内する。出席を前提)

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詳細情報

概要

ミサをはじめとするキリスト教典礼を歴史の躍動の中で概観し,特にその精神(霊性)のあり様の変化と現代教会の意識に注目する。典礼は聖書的な信仰のあかしと祈りを現代にまで生き生きと伝える教会生活の根幹的営みである。それはまた各時代の文化(言語・美術・音楽など)や社会との相互関係の中で形づくられてきた。そのような信仰と諸時代との交わりの姿として典礼を捉えることは,キリスト教とは何かを知り,これからの個々人や教会の使命を考える上で不可欠な視点となろう。神を祈り求めながら聖書や古典の言葉に親しみ,また関連写真・図式説明・典礼芸術作品を例示しつつ展開する。

目標

基本用語・概念の習得, 現代のカトリック教会の歴史的位置を知ること。 キリスト教の本質を考えるためのかなめとして典礼への視点を確立すること

授業外の学習

講義で使用するppt(pdf版)も,Moodleに掲載するので,適宜,授業時間外の復習やレポート等の執筆に役立ててほしい

所要時間: 200

スケジュール

  1. オリエンテーション/イントロダクション : 典礼と霊性の概念/観点と射程
  2. 前提としての第2バチカン公会議 : 近世・近代の教会史概観と現代の状況
  3. 第2バチカン公会議に至る近代の教会の動き :典礼運動の経緯と意義
  4. 聖書に源流を探る(1) 礼拝の書として :典礼にとっての聖書, キリスト教典礼に受け継がれる旧約の礼拝の心
  5. 聖書に源流を探る(2) イエス・キリスト :キリスト教霊性の根底にある「奉献」の思想,イエスの生涯,その祈りと食事
  6. 主の晩餐の始まりと使徒時代の礼拝:イエスのよる主の晩餐の制定と新約の神の民による礼拝の始まり
  7. 初期教父における典礼の諸相:「バプティスマ」(洗礼)と「エウカリスティア」を軸として
  8. 初期教父から4世紀への展開を導く思想:「神秘」としての典礼理解,「秘跡」の思想の形成
  9. 4世紀のキリスト教公認後の典礼(1):入信式・ミサの祈りの発展/「秘義教話」が示すもの
  10. 4世紀のキリスト教公認後の典礼(2):「時」の典礼(典礼暦年と毎日の祈り)の発展(概観)
  11. 4世紀のキリスト教公認後の典礼(3)から中世初期へ:奉献文の発展/古典的ローマ・ミサ典礼の確立/西方への移入
  12. 中世の典礼実践と霊性における変容:「ヨーロッパ的」なカトリック教会の心性形成
  13. 宗教改革とカトリック改革,現在のカトリック教会のミサ,諸教会の礼拝(日本)
  14. 現代の典礼刷新が目指す霊性:ミサの構造/典礼暦年と聖書朗読配分

教科書

講義レジュメおよび資料プリント (毎回前日にLoyolaおよびMoodle に掲載する)

    参考書

    下記のほか詳細は授業で紹介

    • ミサを祝う : 最後の晩餐から現在まで

      著者: 国井健宏

      出版社: オリエンス宗教研究所 2009

    • ミサ

      著者: J.A.ユングマン

      出版社: オリエンス宗教研究所 1992

    • 初期キリスト教の礼拝:その概念と実践

      著者: P.F.ブラッドショー

      出版社: 日本キリスト教団出版局 2006

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