イエス・キリストII
神学部
THE31200
コース情報
担当教員: 川中 仁
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 不可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
授業内期末試験
授業期間中
その他
出席と受講態度を重視し,4回以上の欠席で自動的に単位取得不可となる。 初回の授業の際に諸注意事項を説明するので,受講希望者は必ず初回から出席すること。
詳細情報
概要
「イエス・キリスト」とは,本来は固有名詞ではなく,歴史上に実在したナザレのイエスという人物に関する神学的主張である。イエス・キリストⅠ・Ⅱでは,歴史上の人物としてのナザレのイエス(イエス論)と信仰対象としてのイエス・キリスト(キリスト論)を通年で取り扱う。本講では,もっぱらイエス論に取り組むイエス・キリストⅠに引き続き,キリスト論の歴史と諸問題を概観し,キリスト論の体系的考察に取り組む。なお,本講では,新約聖書概説の講義内容に相当する新約聖書に関する基礎的知識を必須の受講要件とする。また,講義内容の性質上,春学期開講のイエス・キリストⅠの履修を受講要件とし,イエス・キリストⅠを未修の場合は受講不可とする。
目標
キリスト論の歴史と諸問題を概観し,キリスト論の体系的考察に取り組む。
授業外の学習
以下の参考書欄に記載の諸文献にできる限り目を通しておく。
所要時間: 190分
スケジュール
- 導入:課題と方法論
- 新約聖書のキリスト論(1):キリスト論的称号(a):「キリスト(χριστός)」
- 新約聖書のキリスト論(2):キリスト論的称号(b):「神の子(υἱός θεοῦ)」
- 新約聖書のキリスト論(3):キリスト論的称号(c): 「人の子(υἱὸς τοῦ ἀνθρώπου)」/「主(κύριος)」
- 新約聖書のキリスト論(4):新約聖書キリスト論の展開―ユダヤ的キリスト理解からヘレニズム的キリスト理解へ
- 古典的キリスト論(1):古典的キリスト論の概要/ニカイア公会議前のキリスト論的異端
- 古典的キリスト論(2):ニカイア公会議(325年)
- 古典的キリスト論(3):ニカイア公会議後の論争
- 古典的キリスト論(4):第一コンスタンティノポリス公会議(381年)
- 古典的キリスト論(5):エフェソ公会議(431年)
- 古典的キリスト論(6):カルケドン公会議(451年)/カルケドン公会議後(451-681年)
- 学期末試験(授業内試験)
- 古典的キリスト論(7):古典的キリスト論のまとめ―古典的キリスト論の意義と限界
- 現代のキリスト論の根本問題―現代におけるキリスト論に対する二つの挑戦:歴史主義と宗教的多元主義
教科書
聖書は毎回必携。
『聖書 聖書協会共同訳』(旧約聖書続編付き) 『新共同訳 聖書(旧約聖書続編つき)』
出版社: 日本聖書協会
参考書
以下に記載の諸文献は,キリスト論に関する基本書。 ヴァルター・カスパー『イエズスはキリストである―現代カトリック・キリスト論概説』犬飼政一訳,あかし書房,1978年。 Walter Kasper, Jesus der Christus, Mainz: Matthias-Grünewald, 1998 (1974). Gerald O'Collins, Christology. A Biblical Historical, and Systematic Study of Jesus, Oxford: Oxford University Press, 1995. 以下の参考書欄に記載の文献は,キリスト論の再構築という観点から,キリスト論の歴史と諸問題を包括的に概観する最近の好著。
現代思想におけるイエス・キリスト
著者: ジョン・マッコーリー/河野隆一訳
出版社: 聖公会出版,2014年
Jesus Christ in Modern Thought
著者: John Macquarrie
出版社: London: SCMPress, 2003 (1990)