神と人間I(罪と原罪)
神学部
THE21500
コース情報
担当教員: 光延 一郎
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
その他
★出席確認は,毎回の授業内容についてリアクションを提出すること。一回3点×14回=42点満点。 ★期末レポートは,課題文献を精読し,そこから本科目で学んだことをまとめ,「キリスト教的な罪理解とは何か」に答える。58点満点。
詳細情報
概要
キリスト教では,神と人間の出会いを,救いの歴史のドラマから展望します。その際,エポックとなる出来事は,出会いの初め・起源としての「創造」,その出会いへの挫折・障害である「罪」(原罪),またイエス・キリストの生涯の言葉とわざによる救い=「恩恵」,さらに最終的な目標点を示す「終末」でしょう。こうした要所となるポイントの意味を考察することから,神と人間の関係を眺めるダイナミックな視野を養い,そこからキリスト教信仰が,人間が人間として生きることにとっての意義を考えるのが「神学的人間論」という科目です。この授業では,その第一段階として,私たちが神と出会うに際しての最も内面的な問題,すなわち「罪」,および「原罪」の問題を取り上げます。できるだけ私たちにとって身近な実存的な事柄,文学や映像資料などを用いながら,罪と救いの関連を私たち自身の問題として考察したいと思います。学生は,ディスカッションによりクラスに積極的に参加し,その内容をリアクション・ペーパーで報告してください。
目標
「キリスト教の見ている『罪』と『ゆるし』の本質とは何であるか? またそれは人間の『救い』といかにかかわるのか?」 以上を,授業中に扱った題材〈聖書,鑑賞したDVD,プリント,資料サイト,リアペ・フィードバックなど〉から理解したことを実践に向けてつかみ直す。すなわち,キリスト教の罪観について何も知らない人に対して,自分ならどのように説明するかをまとめることが課題です。
授業外の学習
Moodleにリンクされている参考サイトや動画,文献などを参考にしながら,リアクションペーパー,レポートを書くこと。
所要時間: 190分
スケジュール
- 罪とはなにか 罪ととが,罪責
- 「チューインガムひとつ」+DVD『北の国から84夏』
- イエス・キリストによる解放の意味
- 「罪」と「悪」の問題
- 「罪とゆるし」 のプロセス
- 聖書の罪理解
- 日本文化の中の罪のとらえ方
- キリスト教以外の宗教の罪理解
- 死刑と修復的司法
- ゆるしと修復(ガルトゥングの「超越法」)
- 原罪とは何か
- アウグスティヌスとペラギウスの原罪論争
- 社会的・構造的な罪について
- 現代神学における原罪論再解釈の試み
教科書
『神学的人間論入門―神の恵みと人間のまこと』を入手しておいてください。
神学的人間論入門―神の恵みと人間のまこと
著者: 光延一郎
出版社: 教友社
ゆるしの力
著者: 幸田和生
出版社: 女子パウロ会
参考書
書籍情報はありません。