理論分子設計

理工学部 - 物質生命理工学科

SML64200

コース情報

担当教員: 南部 伸孝

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

20%

レポート

20%

定期試験

定期試験期間中

40%

小テスト等

20%

詳細情報

概要

統計熱力学の概念および応用に関する講義である。物質の成り立ちや性質および変化(化学反応を含む)は,物質を構成している原子や分子の性質,構成原子や分子間の相互作用,さらに,この物質系内でのエネルギーの分配の仕方等によって決まる.講義では,物質の構成要素である原子や分子を量子統計的に取り扱い,物質の巨視的な熱力学的性質を導き出し,それについて解説する。さらに,得られた諸概念を化学の重要な量の計算に応用する。まず分子分配関数をいろいろな運動モードの因子に分解できることを示し,並進,回転,振動の運動モードと電子励起からの寄与の分配関数を作る。そして,これらの寄与はスペクトルのデータから求められる。最後に,具体的な応用例として,運動モードの平均エネルギー,物質の熱容量,残余エントロピーなどを扱う。さらに,反応の平衡定数の計算法を説明し,平衡定数の大きさやその温度依存性を決めている分子特性を理解する。 英語のテキストを利用するので,頑張って読破しましょう。ただし,日本語訳のテキストもあるので,苦手な方はそれを参照してください。 物質生命理工学科開講の基礎科目として学部3年以上のレベルに相当する物理化学の基礎知識を提供する。 物質とナノテクノロジー,高機能材料の創製に関する高度な学問内容を学修し,応用・展開する分野,学際的な分野および実社会に繋がる課題解決方法を修得する。(カリキュラム・ポリシー4に該当する)

目標

1)物理化学の分野における基礎知識を習得する。 2)統計熱力学に関する十分な知識を持ち,それを応用することができるようになる。 3)物理化学以外の分野においても,化学現象を伴う場合,必要な解析能力を得る。 4)英語のテキストを読み込む能力を得る。 学修した内容を理論・技術的応用展開する能力を修得し,物質・ナノテクノロジー,高機能材料の創製に結びつく理工学における課題解決に貢献する能力を身につけることを目標とする。

授業外の学習

1)予め指定された資料の範囲を示すので,その範囲を予習する。特に,式の展開を自分で行い,テキストと同じ答えが得られているか確認する。 2)予め指定された資料に現れる自習問題を示すので,そこを予習・復習を繰り返す。 [予習](所要時間:各回80分程度) ・授業の参考資料を読んでおく。 [復習](所要時間:各回110分程度) ・授業の演習を復習する。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. 授業概要の説明 ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数を変更することがありうる。
  2. Configurations and weights (Text, Chap.15.1) (a) Instantaneous configurations
  3. Configurations and weights (Text, Chap.15.1) (b) The Boltzmann distribution
  4. The molecular partition function (Text, Chap.15.2) (a) An interpretation of the partition function
  5. The molecular partition function (Text, Chap.15.2) (b) Approximations and factorizations
  6. The internal energy (Text, Chap.15.3) (a) The relation between U and q
  7. The internal energy (Text, Chap.15.3) (b) The value of beta
  8. The statistical entropy 1/2 (Text, Chap.15.4)
  9. The statistical entropy 2/2 (Text, Chap.15.4)
  10. The canonical partition function (Text, Chap.15.5) (a) The concept of ensemble (b) Dominating configurations (c) Fluctuations from the most probable distribution
  11. The thermodynamics information in the partition function (Text, Chap.15.6) (a) The internal energy
  12. Independent molecules (Text, Chap.15.7) (a) Distinguishable and indistinguishable molecules
  13. Independent molecules (Text, Chap.15.7) (b) The entropy of a monatomic gas
  14. Summary

教科書

初回講義にてテキストの説明を実施する。

  • Atkins' Physical Chemistry 11th edition

    著者: P. Atkins, J.D. Paula, and J. Keeler

    出版社: Oxford, 2018

参考書

日本語版があるので,参照してください。ただし,日本語版は,第8版または第10版が割に内容が合致する。

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