幾何学II(多様体論)
理工学部 - 情報理工学科
SIC64900
コース情報
担当教員: 都築 正男
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月2
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 不可
評価方法
定期試験
定期試験期間中
100%
詳細情報
概要
幾何学の基礎概念であり解析学の舞台ともなる「多様体」について講義する。 多様体とは,地球の表面のように「局所的に地図で位置を表すことのできる空間」である。多様体の上では,ユークリッド空間の場合のように微分積分ができる。この授業では具体例を通して,多様体,微分形式とサイクル,サイクルに沿った微分形式の積分などを説明する。3次元空間のベクトル場の演算や,種々の積分定理(ガウスの発散定理,Greenの定理etc. )が多様体上の微分形式に対するStokes公式として統一的に理解されることを説明する。
目標
●「多様体」というものの基本的なアイデアを理解する。 ●「微分形式」,「ベクトル場」の計算に習熟する。 ●重要な具体例を多様体の枠組みの中で理解できるようになる。
授業外の学習
予習・復習として,テキストの対応箇所を自習する。 予習:授業内容の理解を助けるために予め指定したテキストの演習問題や補足的な問に取り組む。授業時に解説を行うので自己採点を行うこと。 復習:自己採点の結果を見ながら,重要箇所の確認を行う。
所要時間: 190分
スケジュール
- テキスト「具体例から学ぶ多様体」の章立てに沿って授業を行う予定である。 必要に応じて内容は取捨選択する。 数直線(連続の公理・距離空間・位相空間など)
- 複素平面(絶対値・ノルム・内積空間など)
- 単位円(連続写像・立体射影・コンパクト性・極値問題など)
- 楕円(同相写像・群・陰関数表示など)
- 双曲線(位相的性質・パラメータ表示・曲線の長さなど)
- 単位球面(立体射影(2)・座標変換・微分同相写像・直交群など)
- 固有2次曲面(パラメータ表示(2)・ベクトル場・パラメータ付き部分多様体・陰関数定理など)
- 実射影空間(商位相・多様体・逆写像定理など)
- 実一般線形群(開部分多様体・部分多様体・多様体上の関数と写像・接ベクトル・写像の微分
- トーラス(積多様体・ベクトル場とその演算・リーマン多様体など)
- 余接バンドル(多重線型写像・微分形式と外微分など)
- 多様体上のチェイン・1の分割・チェインに沿った微分形式の積分
- ストークスの定理(1)
- ストークスの定理(2)
教科書
追って指示する
具体例から学ぶ多様体
著者: 藤岡敦
出版社: 裳華房
参考書
多様体の基礎 松本幸夫 東京大学出版会