代数学III(ガロア理論)

理工学部 - 情報理工学科

SIC64800

コース情報

担当教員: 角皆 宏

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木2

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

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授業参加

0%

リアクションペーパー

50%

定期試験

定期試験期間中

50%

その他

「小テスト等」は演習課題の取組み・提出状況で,「出席状況」「授業参加」は「小テスト等」に含む。期末レポートとして,まとめ・総合的な課題を課す。

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詳細情報

概要

「この方程式は平方根だけじゃ解けないなぁ」「君は実に…方程式を解くのが下手なんだなぁ」「そうじゃなくて平方根だけじゃ解けないことが証明できるんだよ」「え?どゆこと?」 方程式の解法理論から生まれたガロア理論は,現代では体の拡大の理論として定式化され,さらに様々に一般化されて数学のあちこちに現れている。本科目では,方程式の古典解法から始め,体論の基礎事項の後に,体の拡大の理論としてのガロア理論を扱い,最後にガロア理論を踏まえて古典解法を再訪する。 講義中心で行なう。数学の講義では,一つ一つの主張について「本当にそうか」「具体例ではどうか」「何故そうか」など常に主体的批判的に考えながら納得し理解することが重要である。そのように講義中心の授業にアクティブに取組むための留意点について注意し,授業内で取組みを適宜促す。 初回授業までに履修登録の上,Loyola授業掲示板を確認して,moodleコースに登録すること。 ・Loyola授業掲示板・moodleを通じて解説資料・演習問題を事前に提示することがあるので,必要に応じて予め手元において受講されたい。 ・指示された演習課題があれば,清書した答案を,授業終了後にmoodleを通じて提出する。 ・Loyola授業掲示板・moodleを通じて,まとめや自習課題,より進んだ学修に向けての補足などのプリントを配布することがある。 (授業開始後の状況により,変更することもあり得る。) この科目は情報理工学科CP5の前半「全ての情報分野における基礎的理論を理解するため,数学の基礎科目を通じて,最低限の知識を学生全員に身に付けさせる」科目および同後半「大学院において数学を研究することをめざす学生が専門的な現代数学科目を通じてその知識を修得させる」科目に相当するに加え,CP2の理論的基礎ともなる科目であり,代数系の科目「代数学基礎」「代数学Ⅰ(群論)」「代数学Ⅱ(環と加群)」に引続く科目である。 数学を学んでガロア理論を知らずば画竜点睛を欠く。さぁ君もいますぐ登録。

目標

・体の拡大の基礎事項として,代数拡大・超越拡大・拡大次数・共役・正規拡大・分離拡大などの概念を理解する。 ・特に,ガロア拡大に対するガロア群の重要性,およびガロア理論の基本定理・ガロア対応を理解する。 ・実例として,有限体・円分体・クンマー拡大などに慣れ親しむ。 ・簡単な場合に,与えられた多項式のガロア群を計算したり,ガロア対応を具体的に書いたりできる。 ・方程式の解法理論や作図問題との関連など古典的な話題にも親しめると良い。 などにより,情報理工学科DP5に掲げる「情報科学を含むすべての現代科学の理解に不可欠な数学の知識を学び,現代社会の情報技術におけるさまざまな問題を主体的に解決できる能力」の基礎を身に着ける。

授業外の学習

授業開始前または授業と並行して,今までの代数系科目「代数学基礎」「代数学Ⅰ(群論)」「代数学Ⅱ(環と加群)」の内容を確かめておくことが望ましい。講義には前回までの内容を復習して臨むこと(毎回1~2時間程度)。講義後に演習課題に取組み提出することを要する。方程式を解くなど具体的な計算も多いので,実際に手を動かして計算することにより,理論的な内容を実感することが大切である(毎回1~2時間程度)。その他,配布のまとめ・自習課題プリントや参考書講読などにも意欲的に取組んで理解を確かにされたい(毎回1~2時間程度)。

所要時間: 3〜4時間程度

スケジュール

  1. 初回授業までに履修登録の上,Loyola授業掲示板を確認して,moodleコースに登録し,掲載した講義資料(導入:人間と数学の歴史を振り返る)に目を通しておくこと。 (以下は大体の予定。詳しくは担当者のwebpageを参照のこと。) 代数方程式の古典的な解法探求(3次方程式・4次方程式の根の公式)
  2. moodleコースに掲載した講義資料(体論に向けて:「数」とは)に目を通しておくこと。 代数学の復習(群・環・体)・特に多項式環について
  3. 体の構成(分数化・剰余環)
  4. 体の拡大(拡大次数・代数拡大・超越拡大)
  5. 代数拡大(単拡大・最小多項式・拡大次数の連鎖律)
  6. 代数拡大(根体・分解体・代数閉体・代数閉包)
  7. 有限次代数拡大の基本的な不等式・共役・正規拡大
  8. 標数・有限体・分離元・分離拡大
  9. 体拡大の自己同型群・ガロア拡大・ガロア群
  10. ガロア理論の基本定理・ガロア対応
  11. ガロア対応の例
  12. 円分体とそのガロア理論
  13. 有限体とそのガロア理論・巡回クンマー拡大
  14. 方程式の古典解法再訪
  15. 期末試験

教科書

本来取り上げるべき内容は多いが,時間の制約から網羅的に取り上げることは出来ない。従って,特定の教科書に沿って講義するのではなく,それらから抜粋・精選・再編集して講義を組み立てる。参考書として挙げたもの以外にも「ガロア理論」と付く本はたくさん出版されているので,書店・図書館などで自ら見比べて自分に合ったものを選んでもらいたい。

    参考書

    下記の他,数学図書室に関連書籍を用意しているので是非活用されたい。入学以来の各関連科目のノートを活用することも大切である。

    • ガロア理論・その標準的な入門(SGCライブラリ27) (ISSN: 0386-8257)

      著者: 中野伸

      出版社: サイエンス社・2003

    • 代数方程式とガロア理論(共立叢書 現代数学の潮流) (ISBN: 978-4320016965)

      著者: 中島匠一

      出版社: 日本評論社・2006

    • 代数学 2 環と体とガロア理論 (ISBN: 978-4535786608)

      著者: 雪江明彦

      出版社: 日本評論社・2010

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