電子デバイス
理工学部 - 情報理工学科
SIC61500
コース情報
担当教員: 下村 和彦
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月4
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
定期試験
定期試験期間中
中間試験
授業期間中
小テスト等
詳細情報
概要
半導体を用いたデバイスには,電子デバイスと光(光電子)デバイスがある。本講義では前者を対象として,理工共通科目II群「集積回路の基礎」で学んだ内容を更に発展させ,半導体物性を基礎として,デバイス構造/動作原理と高性能化の指針を学ぶ。「集積回路の基礎」の履修,または,それと同等の予備知識の修得を前提にして講義を進める。(注意:これらの基礎知識が無く,時間的な都合が良いから,などの安易な理由で受講することは勧められない。) 情報機器の中では,情報が電気信号で表現され,半導体中の電子の挙動を巧みにコントロールする電子装置,すなわち「電子デバイス」,が使われる。近年,これらの電子デバイスに対する高速化・低消費電力化の要求が厳しく,それを満足するためには,電子デバイスの構造と動作を,物理的側面から定量的に理解する必要がある。 本講義では,情報処理/通信技術またはその応用を学ぼうとする学生を対象として,「ディジタル回路」「集積回路の基礎」の内容をさらに発展させ,電子デバイス・集積回路に関する専門的な講義を行う。半導体の電子物性,バンド構造について説明した後に,集積回路性能を決定するMOSFET特性を詳細に解説する。特に,素子微細化に伴い顕著になるショートチャネル効果に言及する。また,バイポーラトランジスタについても説明する。 講義を中心とするが,理解度確認のための小演習を行う。 カリキュラム・ポリシーである「通信システム全体を把握した上で専門的な技術を学び,情報通信技術者に必要な基礎」,「物質の理解と材料・デバイスの創成」に関連したデバイス基礎知識を修得する学修を行う。
目標
(1)pn接合の電流電圧特性を定量的に理解する (2)バイポーラトランジスタ,MOSFETの構造と動作原理を相互に比較しながら理解する (3)将来,最先端半導体とそれを応用した情報システム,通信システムを理解する上で必要な基礎知識を養う ディプロマ・ポリシーである「情報通信技術の発展にかかわる諸課題を主体的に解決できる能力」,「学修した内容を理論・技術的に応用展開することにより,科学・技術の諸問題を解決する力を身につけ,独創的な研究を推進し,科学・技術のさらなる発展へ貢献する能力」,の修得を目標とする。
授業外の学習
【予習】(所要時間:各回80 分程度) ・授業で使用する配布資料を事前に読み,空欄の部分にどのような語句や数式が当てはまるか参考資料等で調べて予想を付けておく。 ・配布資料に関連する基本的知識が足りない場合は,「電子デバイス」,「半導体工学」などの参考書を読み理解する。 【復習】(所要時間:各回110 分程度) ・配布資料および自筆ノート・メモ等を利用し,講義内容を要約してみる。また,参考資料を使用して体系的な理解をする。 ・授業内で行った小テストを再度解いてみて,講義内容の知識を確認する。 ・発展的な理解をするために,参考資料の章末問題を解いてみる。 ・事前に抱いていた疑問点が解消されたか確認する。授業後に残った疑問点については,再度体系的な参考資料を使用したり,担当教員に質問したりして解消を図る。
所要時間: 190分
スケジュール
- 半導体の帯理論
- 半導体の電子物性(フェルミ分布)
- 半導体の電子物性(輸送現象)
- PN接合(電流連続の式,I-V特性)
- バイポーラトランジスタ(構造と静特性)
- バイポーラトランジスタ(電流利得,素子構造設計)
- バイポーラトランジスタ(小信号等価回路,高速化への指針)
- 半導体物性,バイポーラトランジスタに関する中間試験
- 金属,半導体,絶縁物の接触
- MOS構造
- MOSFETの動作原理
- MOSFETの特性
- CMOSの構造と動作原理
- CMOS論理回路
教科書
テキストは指定せず,適宜参考書を参照すること
参考書
電子情報通信レクチャーシリーズ 電子デバイス
著者: 和保孝夫
出版社: コロナ社/2013年
半導体工学
著者: 高橋 清
出版社: 森北出版