モータドライブシステムI
理工学部 - 機能創造理工学科
SEA67600
コース情報
担当教員: 宮武 昌史
単位数: 1
年度: 2024
学期: 1クォーター
曜限: 金3
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
授業内期末試験
授業期間中
小テスト等
その他
出席点はないが,5割以上の出席および小テスト提出がない場合は,原則としてF評価とする。 「小テスト等」はMoodle上で出題する演習問題のことを指す。
詳細情報
概要
本科目は2クォーターに開講する「モータドライブシステムⅡ」とリンクしており,本科目と合わせて履修することが期待される。 本科目では,カリキュラム・ポリシーにおける「エネルギーの創出と利用」,「ものづくりとシステムの創造」に主に関連し,これらを応用・展開する学際的な力を修得する。具体的には,電気−力学エネルギー変換を司る電気機器である電動機(モータ)に焦点を当て,その高度な可変速駆動に必要な制御方法に関する基礎知識を修得する学修を行う。この技術は,家電,電動車両(電車,電気自動車等)やロボットなどに広く利用されており,産業だけでなく我々の生活をも支える重要な基盤技術となっている。具体的な内容は,下記講義スケジュールの通りである。 本科目は,3年次生から履修が可能であり,電気工学を中心として機械工学等の複合的な知識を駆使して応用・展開する学際的な能力の修得を目的としている。その際,線形代数,微分方程式,ラプラス変換,電気回路の過渡現象,回転系の力学,古典制御(伝達関数,ブロック線図)などの基本的な知識が必要となるので,関連科目の履修または独習を推奨する。 本科目では,理解を助けるために,MATLAB/Simulinkによるシミュレーションを適宜取り入れる。リアクションペーパーによりフィードバックを行う。 以下に,学科のコース毎の本科目の位置付けを説明する。 【電気電子工学コース】本科目は,電力系の「電気機器学」「パワーエレクトロニクス」と合わせて履修する方がより深く理解できると期待される。(「電気機器学」では,モータだけでなく変圧器や発電機を含めた電磁現象による電気機器の基礎理論について学べ,「パワーエレクトロニクス」では,可変速駆動に必要な可変周波数電源としてのインバータ等の電力変換技術について学べる。他には,「電力系統工学」も電力系の科目として合わせて履修して欲しい科目である。) また,電気電子工学実験Ⅲにおける「サーボモータ」の課題に関連した話題も扱う。 【機械工学コース】本科目は,メカトロニクスの電気的な部分を発展させたものとも考えられ,機械工学と電気電子工学の境界領域に近い。機械工学を専門とする学生にも,今後幅広い分野で活躍するために役立つ内容と期待する。 【物理学コース,他学科】これまで履修してきた科目によっては理解が難しいかも知れないが,履修は大いに歓迎する。
目標
本講義では,次のことが理解できるようになることを目指す。 ・モータの基礎原理やその特徴 ・モータ駆動のための制御系の基本構成 ・コントローラやセンサの基本原理 ・本技術の応用例とそれぞれの特徴 これにより,ディプロマ・ポリシーの主に「エネルギーの創出と利用」,「ものづくりとシステムの創造」に関して理論的,技術的に応用・展開する能力の修得を目標とする。
授業外の学習
【予習】 ・Moodleで配布資料をダウンロードし,適宜参考書も交えながらざっと目を通しておく(60分/回) ・MATLAB/Simulinkの使い方に慣れる(40分/回) 【復習】 ・Moodle等で出題される小テスト問題の間違った所を復習する(50分/回) ・A4用紙1枚表裏に本講義の要点をまとめていき,期末試験に持ち込めるメモ用紙とする(40分/回)
所要時間: 190分
スケジュール
- ガイダンス モータドライブシステムⅠ・Ⅱの概要
- モータの基本原理 〜磁気現象と機械運動による電力変換〜
- 制御工学の復習 〜ラプラス変換・伝達関数・ブロック線図〜
- サーボモータ制御システム 〜モータ特性のブロック線図によるモデル化〜
- サーボモータ制御システム 〜制御系の構成方法〜
- 電動機制御系の実装 〜センサとコントローラ〜
- 応用例(30分) 授業アンケート(10分) 期末試験(60分)
教科書
Moodleで配布する
参考書
内容を十分に理解するためには,次に挙げるような参考書を手に入れることが望ましい
電動機制御工学
著者: 松瀬 貢規
出版社: 電気学会・2007
よくわかる電気機器
著者: 森本 雅之
出版社: 電気学会・2012
エネルギー変換応用システム
著者: 田村・田中
出版社: 丸善