電力系統工学

理工学部 - 機能創造理工学科

SEA65600

コース情報

担当教員: 坂本 織江

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 月3

形式: 対面授業

レベル: 300

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

14%

レポート

56%

定期試験

定期試験期間中

30%

その他

(評価基準・割合に関する補足)リアクションペーパーとレポート,期末試験に基づき総合的に評価する。リアクションペーパーでは主に各回の講義内容に関する演習を行い,出席の確認を兼ねて教室で集める。レポートは2回課す予定である。

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詳細情報

概要

電力系統とは,発電所・送電設備・変電所・配電設備・需要家などからなる,電気エネルギーを利用するためのシステム全体のことである。この講義では電力系統を対象とし,電力系統の特性・電気エネルギーを安定に利用するための制御・経済性と信頼性の考え方について,基本的な内容を学ぶことを目的とする。 講義では最初に電力系統の概要と電力系統工学で扱う課題について説明する。続いて電力系統の電力潮流の制御・周波数の制御・電圧の制御・同期安定性について電力系統の特性を含めて学び,その後に経済的な計画と運用および信頼性について基本的な考え方を学ぶ。 授業方法としては講義が主となるが例題の解説も行い,理解度の確認を兼ねたリアクションペーパーを課す。授業項目のうち電力潮流と電圧の制御に関しては電気回路の知識が必要となるので,電気回路の基礎知識があることが望ましいが,様々な分野の学生がこの講義を履修できるように解説資料を配付する。 講義資料は基本的に教室で配布するが,Moodleにも掲載する。 筆記試験に加え,レポートを2回課す予定である。レポートの提出にはLoyolaまたはMoodleを用いる。Moodleの情報は初回講義の前にLoyolaの授業掲示版に掲載する。 機能創造理工学科のカリキュラム・ポリシーとの関連については,とくにCP3に関し,電気工学分野について「より体系的に修得することで,新たな物理的価値観の獲得や機能の創造に貢献できる能力を養成する」ことに役立つ内容を提供する。

目標

講義概要に挙げた内容について理解し,電気エネルギーの利用や電力系統に関連する問題について自ら考える力を養うことを目指す。 評価基準としては,下記の授業計画に挙げる主要な概念や用語について適切に説明できること,標準的な演習問題において解法を的確に説明し正答を導くことができること,電力系統による電気エネルギーの利用に関する現在の問題について調査し講義で学んだ内容に基づいて意見を述べられることを目標とする。 上記のディプロマ・ポリシーとの関連では,電力系統工学を学ぶことにより「新たな物理的価値観の獲得や機能の創造に貢献する能力」と「独創的技術の開発に貢献する能力」を養うことを目標とする。

授業外の学習

講義は主に配布資料により進める。授業時間外の学習としては,講義ノートを整理し,講義で学んだ内容と講義中に取り上げた例題について復習することが必要である。書籍等で関連する箇所を読み,問題を解いて理解を深めることを強く推奨する。 レポートとして調査と演習問題を課すので,このレポート作成も授業時間外の学習となる。このほか,講義の一部で電気回路で学ぶ基礎的な内容を扱うので,講義の補足として自習課題を提示することがある。 授業1回当たりの学習内容と所要時間の目安は次の通りである。 ・講義資料,ノート,演習問題の復習(約60分) ・教科書等で講義の範囲を通読し,練習問題を解く(約70分) ・自習課題やレポート作成,期末試験に向けた勉強を行う(約60分)

所要時間: 190分

スケジュール

  1. ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数は変更することがありうる。 1. ガイダンス,電力系統工学の概要
  2. 電力潮流とその計算
  3. 電力潮流の制御
  4. 有効電力と周波数の制御 (1) 発電機と負荷の周波数特性
  5. 有効電力と周波数の制御 (2) 電力系統の周波数特性と制御
  6. 有効電力と周波数の制御 (3) 負荷変動と周波数変動
  7. 無効電力と電圧の制御 (1) 電力系統の電圧特性
  8. 無効電力と電圧の制御 (2) 電圧の制御
  9. 電力系統の同期安定性 (1) 同期安定性
  10. 電力系統の同期安定性 (2) 安定化対策
  11. 電力系統の経済性 (1) 経済運用
  12. 電力系統の経済性 (2) 電源開発と経済性
  13. 電力系統の信頼性
  14. 講義のまとめ

教科書

講義で扱うことができる内容と演習時間には限りがあるので,それらを補うためにテキストを1冊用意して学習することが望ましい。「電力系統工学」,「電力システム工学」などのタイトルの書籍を参考にするとよい。下記は例であり他の書籍でも構わない。欄の数の都合でテキストと参考書に分かれているが,いずれもテキストとしての紹介である。

  • 基礎電力システム工学 - 電力輸送技術の本質を知る

    著者: 日高・横山

    出版社: 数理工学社・2022年

  • 先端 電力システム工学―変革期にある電力システムの安定運用に向けて

    著者: 横山

    出版社: 数理工学社・2022年

  • 詳解 電力系統工学

    著者: 加藤

    出版社: 東京電機大学出版局・2017年

参考書

  • 電気学会大学講座 電力系統工学

    著者: 長谷川・斉藤・大山・北・三谷

    出版社: 電気学会;オーム社・2002

  • 電力系統

    著者: 前田

    出版社: オーム社・2018

  • 電力システム ー基礎と改革ー

    著者: 新田目

    出版社: 電気書院・2015

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