量子力学2
理工学部 - 機能創造理工学科
SEA51700
コース情報
担当教員: 平野 哲文
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金2
形式: 対面授業
レベル: 300
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 不可
評価方法
リアクションペーパー
レポート
定期試験
定期試験期間中
その他
リアクションペーパーやレポートの提出が締め切りに遅れた場合には減点対象とする。成績付与のために定期試験の点数の最低合格点を設定する場合がある。
詳細情報
概要
量子力学1に引き続き,現代科学技術の基礎となる量子力学の発展的なトピックについて触れる。主に,調和振動子の昇降演算子を用いた解法,3次元中心力ポテンシャルにおける束縛状態として角運動量の固有状態,角運動量の一般的な交換関係と,その帰結としての粒子のスピンについて学ぶ。 ※ 量子力学1程度の知識,計算能力があることが望ましいが,量子力学1の単位を取得は必須としない。 これらはカリキュラムポリシーの「学科コア科目の講義を通して「物質の理解と材料・デバイスの創生」の切り口で実社会において物理学を駆使して応用・展開する学際的な力を修得させる」に基づく。 レポートについては,Loyola 「レポート管理」にて課題を掲出するため,指定日までにレポート管理画面より提出すること 。
目標
調和振動子や角運動量の演算子に現れる交換関係に慣れ,古典力学とは相容れない量子力学特有の概念のより深い理解を目指す。さらに水素原子型ポテンシャルの固有状態や2粒子系のスピンの固有状態など応用問題を解く能力を身に付ける。 これらはディプロマポリシーの「物質の理解と材料・デバイスの創生の切り口で物理学を学ぶことにより独創的技術の開発に貢献する能力」に基づく。
授業外の学習
講義ノートの該当箇所の予習を行う。(90分/回) 授業では板書で逐一計算を追う時間がないため,授業中で指示された確認問題を通して授業の復習を行う。(100分/回)
所要時間: 授業1回あたり予習90分,復習100分以上
スケジュール
- ※以下は予定であり,授業の進捗状況により,各テーマの回数は変更することがありうる 量子力学1の復習1: 粒子と波動の2重性,ド・ブロイの関係式とプランク定数
- 量子力学1の復習2: 波動力学,抽象表示,期待値
- 調和振動子1: ハイゼンベルグの方程式と解
- 調和振動子2: 昇降演算子と個数演算子
- 調和振動子3: 調和振動子の波動関数
- 中心力ポテンシャル1: 極座標の導入,極座標におけるシュレディンガー方程式
- 中心力ポテンシャル2: 球面調和関数
- 中心力ポテンシャル3: 動径方向のシュレディンガー方程式
- 中心力ポテンシャル4: 水素型原子のエネルギー準位
- 角運動量1: 角運動量の交換関係
- 角運動量2: 角運動量の昇降演算子
- 角運動量3: スピン1/2,スピン1
- 角運動量4: 角運動量の合成
- 角運動量5: スピンのダイナミクス
- 適宜,途中飛ばした式変形を追う,演習問題を解くなど
教科書
教科書は特に指定しない。LOYOLA掲示板で配布予定の講義ノートに従って授業を進める。
参考書
量子力学関連のテキストは豊富にあるので,各自,自分が読みやすいものを図書館などで探し,参考書とするのが望ましい。
量子力学
著者: 砂川重信
出版社: 岩波書店・1991
量子力学概論
著者: W.グライナー
出版社: 丸善出版・2012
量子力学
著者: 萩野浩一
出版社: 日本評論社・2022