<理工共通>物理化学(平衡・速度論)

理工学部 - 物質生命理工学科

SCT65200

コース情報

担当教員: 高橋 和夫

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3

形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A

レベル: 200

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

20%

定期試験

定期試験期間中

80%

その他

ほぼ毎回課される演習問題(リアクションペーパー)の解答状況と期末試験の結果で評価する。 期末試験は大学の定める定期試験期間中に対面にて行う。大学からオンライン受講が認められていても,期末試験は原則として対面で行う。期末試験を対面で受験できない正当な理由がある場合には,履修登録の前に担当者にメールにて相談すること。

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詳細情報

概要

本講では,1年次生必修科目『物質生命理工学(化学)』で学んだ熱力学を化学反応に応用する。化学反応を論ずるには,反応が到達する位置を決める平衡論とそこへ到達する速度を決める速度論を理解することが基本となるが,特に工学上重要な『どれだけの時間をかけて反応が進むのか?』の知見を得るには速度論の知識が必要となる。また,環境問題を定量的に論じる上でも平衡・速度論は必須のツールである。 授業では化学平衡と反応速度をテーマに解説する。化学平衡に関してはギブスの自由エネルギーを出発点として,平衡定数,平衡計算,平衡に対する温度・圧力の効果等を学習する。また,反応速度に関しては速度式のたて方から反応次数,速度定数,実用上重要な複合反応,連鎖反応等の多成分系の解析法を学習する。また,理論的な取扱い(単分子反応理論,遷移状態理論)についても簡単に紹介する。気相反応を中心に解説するが,時間があれば溶液反応についても述べる.応用力・実践力を身につけるため,演習を積極的に行う。また,速度解析および数値計算の基礎を身につけるために,時間と人数が許せばコンピュータ実習も行う予定である。 CP2に基づき,理工共通科目Ⅱ群科目である本講義を通して,化学(物理化学)の基礎を理解することを目標とする。 尚,本年度は【対面+オンデマンド】での開講となるため,『授業実施方法に係る追加情報』を読んで理解した上で受講すること。ただし,同欄に記載されている授業および試験実施形態は,今後コロナの感染状況によって変更されることがある。

目標

どれだけの時間をかけて反応が進むか,反応が最終的にどこまで進むか,について定量的に予測できるよう実践力を磨く。また,化学,物理,生物の各分野で扱われている諸現象が,平衡と速度の概念に基づいていることを理解する。 DP2に基づき,化学(物理化学)において最先端で活躍できる専門知識を身につけるとともに,真理の探究および人類の発展や幸福に寄与する創造的な研究開発を行う力を養う。

授業外の学習

予習は不要。授業の講義内容を理解し,関連する問題を解けるように復習をしっかりすること。授業で行う演習問題を時間内に解くことができなかった場合には,次回までの宿題とすることがある。復習所要時間は3時間程度(190分)。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. 【対面】初回ガイダンス 『物質生命理工学(化学,化学熱力学)』の基礎事項の復習,演習
  2. 自由エネルギーと化学平衡,演習
  3. 化学平衡と平衡定数,演習
  4. 化学平衡の計算,ル・シャトリエの法則の熱力学的解釈,演習
  5. 化学平衡に関する総合演習
  6. 反応速度の基礎(全反応と素反応,速度式,反応次数,速度定数),演習
  7. 次・2次およびn次反応の速度論,半減期,演習
  8. 次反応(2変数系)の速度論,反応速度の解析法Ⅰ,演習
  9. 反応速度の解析法Ⅱ,アレニウス式,速度定数と平衡定数との関係,演習
  10. 複合反応(可逆反応,並行反応,連続反応)の速度論,演習
  11. 定常状態法,連鎖反応,演習
  12. 単分子分解理論,演習
  13. 酵素触媒反応(ミカエリス・メンテン機構),反応シミュレーション,演習
  14. まとめ,定期期末試験の説明

教科書

テキストは用いず,担当者が作成した独自の講義プリントに沿って授業を進める。毎授業の前日に同プリント(ファイル)をMoodleにて公開するので,必ず手許において講義ビデオを視聴すること。

    参考書

    • 『アトキンス物理化学(上)・(下)』

      著者: P.W.ATKINS著,千原秀昭他訳

      出版社: 東京化学同人

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