<理工共通>数学BI(微分積分)【物質生命理工学科クラス】

理工学部 - 物質生命理工学科

SCT117M0

コース情報

担当教員: 平田 均

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 月2

形式: 対面授業

レベル: 100

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

リアクションペーパー

20%

定期試験

定期試験期間中

80%

その他

「この単位が取れないと留年する,卒業できない」等の学生側の事情は,成績評価において一切考慮の対象とならない。

0%

詳細情報

概要

大学初年度春学期で学ぶ数学科目は線形代数学(数学AI)と微分積分学(数学BI)である。これらは数学系科目のみならず全ての理工系科目を理解するための基礎となる科目であり,今後学ぶ理工学部の専門科目においてもその内容はさまざまな形で利用されるため,十分な理解が必須である。 数学BIでは主に一変数関数と数列の極限演算を扱う。極限は微分積分学のおける最も重要な概念であり,関数の連続性・微分法・積分法はすべて極限演算と深く関係している。実数全体の集合には四則演算が定義されているが,極限演算はこれとは別種類の演算であり,それが定義される前提となるのが,実数の連続性である。二つ以上の極限演算があるときに,その演算順序が交換可能かどうかは,具体的な微積分の計算において重要な問題であり,微分積分学の多くの命題は演算順序の交換可能性に関するものである。 今年度の講義では特に,微分と一次近似について学生に理解してもらうことを重点に置く。微分積分の本質は関数から得られる様々な値を近似的に求め,その近似の誤差評価を得ることであり,その基本となる一次近似については高校数学の教科書にも記述されているが,実際にはほとんど理解されていない。そのためこの講義では,関数値の近似の意味やその近似の誤差がどの程度の範囲に収まるかを正確に評価する手法について,さまざまな角度から取り上げる予定である。 この講義は,物質生命理工学科のカリキュラムポリシー1「自然科学分野の基礎を理解し,科学技術に関する安全と倫理観を取得させる」に対応している。

目標

高校で学んだ関数の微積分について,より厳密にその内容を理解できることが目標であり,特に以下の点が重要である。 1次の近似が接線によるグラフの近似であることを理解する。 数列や級数の収束・発散の判定を,正しくできるようにする。 Taylor展開が1次の近似の拡張であることを理解し,近似計算に有効であることを理解する。 物質生命理工学科のディプロマポリシー1「自然科学分野の基礎を理解し,科学技術に関する安全と倫理観」を身に着ける。

授業外の学習

講義ノートと参考書の対応する単元部分を事前に読み,講義後には関連する計算問題を自力で解いてみて,正しく理解できているかどうかを自分でチェックすることが必要である。講義での説明を聞いてノートに取るだけでは,学習時間は全く足りない。 また,具体的な微分積分の計算ができるようになるためには講義だけでは不十分である。適当な問題集等を使って自分で計算問題の数をこなす必要がある。

所要時間: 毎回の講義1回につき,予習80分と復習120分,計200分が必要である。

スケジュール

  1. 関数の1次近似と近似計算 (最近の入試問題から)
  2. 集合の記号と集合の性質
  3. 実数列と収束
  4. 級数と収束判定
  5. 連続変数の極限と連続関数
  6. 微分係数と導関数
  7. 逆関数とその微分
  8. 高階微分とTaylor級数
  9. 不定積分と定積分
  10. 具体的な関数の積分計算
  11. 定積分の近似計算
  12. 広義積分とその収束判定
  13. 整級数とその性質
  14. 極限の順序交換

教科書

今回の講義では,よくあるテキストの順番とはやや異なる順番でトピックを取り上げる。そのため教科書は特に定めないので,各自で使いやすそうなテキストを選んで予習・復習をしてほしい。数学図書室には初学者にも読みやすい最近の参考図書がそろっているので,ぜひ活用してほしい。参考書の欄に記載したように,演習書を利用するのが有効である。 毎回の講義前にその回の講義ノートをmoodleで公開予定なので,それを使って予習復習するように。

    参考書

    1は以前の講義で教科書にしたことのあるテキストで,今回の講義ノートの記述の参考にする予定である。 2は大学受験でおなじみの「チャート式」の大学講義版で,いわゆる「青チャート」に対応している。なお,「黄チャート」も出版されている。 3は手元にあった演習書を一冊挙げた。大学数学の講義は実際に演習書を使って問題を解かないと,大抵の学生は試験問題が解けるようにならない。

    • 理工基礎 微分積分学I ーー1変数の微積分 --

      著者: 足立恒雄

      出版社: サイエンス社(2001)

    • 大学教養微分積分 (チャート式シリーズ)

      著者: 加藤文元

      出版社: 数研出版(2019)

    • 新版 演習 微分積分

      著者: 寺田文行・坂田 泩

      出版社: サイエンス社(2009)

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