宣教学特講II
博士前期課程神学研究科
MTTH7756
コース情報
担当教員: 原 敬子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木2
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
レポート
詳細情報
概要
宣教の現場において我々は必ず人間に出会う。出会う人々は,多様な文化背景を持ち,多様な世代を生き,多様な性的自認を表明するだろう。現実に生きる人々との出会いにおいて,我々,司牧を志す者,教育現場に赴く者,また,社会の中で非宗教的生活を送る人たちの集団の中に存在するキリスト者として,いかにして,多様性の問題を受容していくことができるだろうか。本授業においては,現代神学において考察されているフェミニズムに関する論考,性的マイノリティに関する論考を学び,理解を深めていきたい。
目標
現代神学において考察されているフェミニスト神学にまつわる諸問題を理解し,特に,日本社会において,自分自身の身の回りの問題に対処できるよう,言語化を行い,宣教の現場に出るための準備を行う。
授業外の学習
ニュース,メディア,特にSNSにおけるフェミニズムの問題に注意し,人々の発言がどのような立場から語られているかに敏感になること。 授業で取り上げるテキストに関しては,殆ど日本語テキストなので,自分の発表以外の論文もあらかじめ読んでおくこと。
所要時間: 予習・復習として190分以上
スケジュール
- オリエンテーション,イントロダクション 【① フェミニスト神学とフェミニズム】
- ◉ A.デルミアンス「女性の神学とフェミニスト神学」
- ◉ P.アレン「二十年後の『女性の尊厳と使命』と課題」
- ◉ ヨハネ・パウロ二世「女性への手紙」,◉ ヨハネ・パウロ二世使徒的書簡『女性の尊厳と使命』(1988)
- ◉ R.R.リューサー「キリスト教伝統における性差別と女性蔑視」
- 【② クィア神学とは何か?】
- ◉ S.クナウス「キリストの虹色の体とクィア神学」
- ◉ P.オドソー「同性婚をめぐる議論」
- ◉ J.グラミック「米国における同性婚」,◉ J.クレイグ「アイルランドにおける同性婚合法化」
- ◉ R.ウィリアムズ「レイシズムと教会」,◉ J.F.キーナン「罪をめぐる新たな理解とその可能性」
- 【③ フェミニスト神学と地域性ーアジア,アフリカ,ラテン・アメリカ】
- ◉ S.A.ボング「アジアのフェミニストから『ラウダート・シ』へ」
- ◉ A.M.イサシ=ディアス「ムヘリスタ神学」
- ◉ Josée Ngalula, rsa., VIOLENCE AGAINST WOMEN: SOME LESSONS FROM ◉ THE SITUATION IN DEMOCRATIC REPUBLIC OF THE CONGO, ◉ Diana L Hayes, Standing in the Shoes My Mother Made: The Making of a Catholic Womanist Theologian,まとめ
教科書
テキストはMoodleにアップロードします。
神学ダイジェスト 2018夏号●特集「性的マイノリティとカトリック教会」,神学ダイジェスト 2022冬号●特集「女性をめぐる神学」
出版社: 上智大学神学会 神学ダイジェスト編集部,2018, 2022
Deeper Shades of Purple: Womanism in Religion and Society (Religion, Race, and Ethnicity)
著者: Stacey M. Floyd-Thomas (Editor)
出版社: NYU Press, 2006
Freeing Theology, The Essentials of Theology in Feminist perspective
著者: Catherine Mowry LaCugna, Editor
出版社: HaperCollins, 1913
参考書
授業中に参考書を随時紹介いたします。
Gender in medieval culture
著者: Michelle M. Sauer
出版社: Bloomsbury, 2015
大地・農耕・女性:比較宗教類型論
著者: ミルチャ・エリアーデ/堀一郎訳
出版社: 未来社,1968
女性と宗教
著者: 大越愛子
出版社: 岩波書店,1997