典礼神学特講I(実践基礎論)
博士前期課程神学研究科
MTTH7361
コース情報
担当教員: 石井 祥裕
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 木1
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
授業参加
リアクションペーパー
レポート
その他
授業参加は出席と発表担当を含む。講義内容,他の発表に対するリアクションペーパーも重視する。レポートとは,適宜の小レポートや翻訳課題,および期末レポートを含む。
詳細情報
概要
現代教会の諸実践と典礼の精神との関係を考える基礎を養う。第2バチカン公会議は,ミサや日々の祈りの霊性を源泉として,福音宣教・司牧・信仰教育・芸術・社会活動などあらゆる実践の推進を神の民の使命として示している。このような考え方の母胎となった19世紀~20世紀の神学者の思想を顧みながら,これからの課題を探る。今年はとくに感謝の祭儀のさまざまな側面に即して,典礼神学の基礎理論(信仰の法則と祈りの法則,キリストの神秘・過越の神秘,典礼における終末論的展望など)に焦点を当てる。概論講義と基本文献の講読解説を結びつけて展開する。
目標
近現代神学史に対する展望を新たにし,第2バチカン公会議以後~現在の教会における典礼および諸実践の基礎となる観点や論理に習熟すること
授業外の学習
毎回提示する講義内容とテキストの講読の反復学習,レポート準備 指定文献の要約報告・翻訳など。
所要時間: 200
スケジュール
- イントロダクション: 第2バチカン公会議の神学史および典礼史的位置 ※以下は授業の進捗状況により各論点・テーマの扱い度・数は再調整される
- 近代典礼思想史の概略(16世紀から20世紀まで)
- 論点解説(1):「信仰の法則と祈りの法則」をめぐる議論
- 論点解説(2): 教会論の展開と典礼理解の関係
- 論点解説(3): 神秘(ミステリウム)の概念への再注目
- 論点解説(4): 典礼と宣教(祈りと告知)
- 論点解説(5) : 典礼文分析への論点適用
- 詳細検討(1): 典礼における神秘の現存論(カーゼル,ヴァルナハの思想)
- 詳細検討(2): 典礼における神秘の行動的現存論(ベッツの学説)
- 詳細検討(3): 過越の秘跡という展望(デュルウェルの思索)
- 詳細検討(4): 諸宗教の儀礼との比較を巡って(カーゼルのアプローチ)
- 詳細検討(5): 日本の諸宗教との比較の試みをめぐって
- 詳細検討(6) :典礼と信心業,信心礼拝の関係について
- まとめと課題確認(典礼と福音宣教,日本の教会での深化・展開に向けて)
教科書
紹介する課題文献のほか,概論プリント,講師提供テキスト を基本とする
第2バチカン公会議公文書 改訂公式訳
著者: 第2バチカン公会議文書公式訳改訂特別委員会
出版社: カトリック中央協議会 2013
カトリック教会のカテキズム
著者: 日本カトリック司教協議会教理委員会
出版社: カトリック中央協議会 2002
参考書
詳細は授業で紹介する
秘儀と秘義
著者: O.カーゼル,小柳義夫訳
出版社: みすず書房 1975
キリスト秘義と救いの歴史:キリスト教の展望
著者: V.ヴァルナッハ,土屋吉正・福地幹男訳
出版社: サンパウロ 1996
エウカリスティア 過越の秘跡
著者: F.X.デュルウェル 小平正寿訳
出版社: サンパウロ 1996