教理史II

博士前期課程神学研究科

MTTH7181

コース情報

担当教員: 角田 佑一

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木1

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

リアクションペーパー

40%

レポート

50%

その他

評価は総合評価を基本とし,受講者数や授業進捗状況度等に鑑みて,評価割合や課題の内容を適宜,調整,変更する。

0%

詳細情報

概要

この授業ではカルケドン公会議後のキリスト論論争(5世紀~8世紀)について,ギリシア教父たちのテキスト(日本語訳)を読みながら学んでいきたいと思う。とりわけ,両性論と単性論の論争に焦点をあてながら,イエス・キリストの神性と人間性がいかに関係しあい,互いに一致しているのかという問題について,教父たちがどのように思索を深めていったのかを教理史的な観点から考察してみたい。授業ではキリスト論のさまざまな術語(ヒュポスタシス,プロソーポン,ウーシア,フュシス)についても丁寧に説明しながら,古典的キリスト論の基本的な考え方について理解を深める。毎回の授業では,講義担当者による講義,教員と学生との質疑応答,ディスカッションが行われる。

目標

この授業では第一にカルケドン公会議後のキリスト論論争を歴史的に理解することを目指す。第二にイエス・キリストにおける神性と人間性の一致がどのような構造のもとに理解されていったのかを把握することを目指す。

授業外の学習

予習:指定されたテキストを読み,質問等を準備する。 復習:授業の要点を整理して内容理解を深める。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. (以下については,授業の進捗状況等を考慮し,適宜,変更や調整を加える)。 導入:4世紀のキリスト論(アタナシオス,アポリナリオス,カッパドキア三教父のキリスト論)
  2. 世紀のアレクサンドリア学派のキリスト論 アレクサンドリアのキュリロス
  3. アンティオケイア学派のキリスト論 モプスエスティアのテオドロス,ネストリオス
  4. エウテゥケス論争・レオ1世のキリスト論
  5. カルケドン公会議(451年)
  6. カルケドン公会議後のキリスト論論争:5世紀後半におけるカルケドン信条の様々な理解と皇帝ゼノンの『ヘノティコン』
  7. 世紀前半における単性論的キリスト論①アンティオケイアのセウェロス
  8. 世紀前半における単性論的キリスト論②ハルカリナッソスのユリアノス
  9. ビザンティオンのレオンティオスのキリスト論
  10. 新カルケドン派のキリスト論 エルサレムのレオンティオス,ヨアンネス・グラマティコス
  11. 皇帝ユスティニアヌスのキリスト論と第二コンスタンティノポリス公会議(553年)
  12. 世紀前半における単意論・単勢論的キリスト論:コンスタンティノポリス総主教セルギオスの『プセフォス』と皇帝ヘラクリウスの『エクテシス』
  13. 証聖者マクシモスのキリスト論(両意論,両勢論的キリスト論)
  14. 第三コンスタンティノポリス公会議(680⁻681年)

教科書

必要な資料はMoodle上で配布する。

    参考書

    Alois Grillmeier, Jesus der Christus im Glauben der Kirche, Band II/2. Freiburg: Herder, 1989. English translation Alois Grillmeier, Christ in Christian Tradition, vol. II/2. Translated by John Cawte and Pauline Allen. London and Louisville: Mowbray and Westminster John Knox Press, 1995.

    • 『原典 古代キリスト教思想史』 第1-2巻

      著者: 小高毅(編)

      出版社: 教文館 1999-2000年

    • 『中世思想原典集成』第1-3巻

      著者: 上智大学中世思想研究所(編)

      出版社: 平凡社 1992-1995年

    • 『東方キリスト教思想におけるキリスト』

      著者: J.メイエンドルフ(著)小高毅(訳)

      出版社: 教文館 1995年

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