物理汎論B
博士前期課程理工学研究科 - 理工学専攻
MSPY7150
コース情報
担当教員: 田中 秀数
単位数: 2
年度: 2024
学期: 2Q集中
曜限: その他
形式: 対面授業
レベル: 600
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
30%
レポート
70%
詳細情報
概要
従来の多くの絶縁性磁性体では,磁性を担う電子スピンを古典的なベクトルのように扱っても,その性質の多くが説明できる。これに対して,そのような古典スピン模型では,磁気的性質を定性的にさえも説明することができない,量子効果が顕著な磁性体が量子磁性体(量子スピン系)である。本講義では,実験で観測された量子効果が顕著な磁気現象と対応する理論的研究を解説する。講義では,1次元反強磁性体,フラストレーションの強い磁性体,及びスピンダイマー磁性体で現れる量子効果の顕著な磁気現象を紹介し,古典スピン模型で理解できない現象は何で,それが量子論によってどのように説明できるかを解説する。相互作用のパラメーターの連続的変化によって量子力学的基底状態の移り変わりが起こる相転移は,温度変化による相転移と区別して量子相転移と呼ばれる。講義では,磁場や圧力によるスピン系の量子相転移と量子臨界点近傍での特異な磁気励起についても解説する。
目標
量子スピン系の奥深さと面白さを理解する。
授業外の学習
講義資料の予習90分,講義の復習100分。
所要時間: 1回あたり190分。
スケジュール
- 月13日(土)2-4限 一次元磁性体の量子効果
- 月20日(土)2-4限 フラストレート量子磁性体1
- 月27日(土)2-4限 フラストレート量子磁性体2
- 月3日(土)2-4限 フラストレート量子磁性体3
- 月10日(土)2-4限 スピンダイマー系の量子相転移
教科書
追って指示する
参考書
書籍情報はありません。