低温物性
博士前期課程理工学研究科 - 理工学専攻
MSPY7060
コース情報
担当教員: 後藤 貴行
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金1
形式: 対面授業
レベル: 600
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 可
評価方法
リアクションペーパー
45%
レポート
55%
詳細情報
概要
金属や半導体における自由電子の振る舞いを,量子力学と統計力学の入門を交えながらやさしく解説する。超伝導や磁性体,光/電子デバイス,機能性材料への基礎となるものを学ぶ。 注意)量子力学と統計力学,量子統計力学を履修していないと履修は難しい。 なお,本講義は,物理学および関連分野において最先端で活躍できる専門知識を身につけるとともに,新分野の開拓や新技術の開発をできる力を養う。 また,周辺について深い専門知識を得るとともに,研究の進め方,まとめ方,研究倫理などを学ばせる。
目標
強結合近似,分散曲線,第一ブリユアンゾーン,クーパー対,超流動,の5つのキーワードは最低限,理解することを目指す。 領域のディプロマポリシーに沿って,これにのっとったカリキュラムを実施する。具体的には,先行研究を踏まえ研究の位置付けを明確に認識し,正しい方法論で理論やデーターを扱い,緻密に結果を分析し,物理学および関連分野において最先端で活躍できる専門知識を身につけるとともに,新分野の開拓や新技術の開発をできる力を養う。
授業外の学習
講義中に随時,計算の続き・詳細を小問として言い渡すので,聞き逃さず,各自,やって見ること(70分)。教員への質問も奨励される。 試験の過去問は公開するので,演習問題として活用し,毎回,2時間程度の復習を行うこと(120分)。
所要時間: 190分
スケジュール
- 自由電子の性質-量子統計のおさらい(量子統計力学・統計力学の履修を強く勧める)
- 自由電子が自由でなくなるとき-第一ブリユアンゾーンとブラッグ条件
- 空格子近似とフェルミ面,どっちが大きい?
- 固体中の自由電子─ブロッホの定理
- 強結合近似(タイトバインディング),一次元,負の有効質量とは?
- 強結合近似(タイトバインディング),二次元。四角いフェルミ面,強相関電子系
- 波束と分散,後ろへ進む波束?
- 光学伝導度とドルーデモデル,総和則,超伝導で抵抗が上がる?
- 超伝導(Cooperモデル)
- BECと超流動,ランダウ条件
- スピンの交換相互作用
- 磁性体の基底状態(分子場近似)
- 有限温度における磁性体(スピン波)
- 量子効果(一重項状態)とマグノン,マグノンBEC,まとめ,小課題(または授業内試験)
教科書
Moodleで公開する
参考書
物性物理
著者: 家泰弘
出版社: 産業図書
固体物理学
著者: 花村栄一
出版社: 裳華房
固体物理学入門
著者: C. キッテル
出版社: 丸善