構成的ガロア理論
博士前期課程理工学研究科 - 理工学専攻
MSMT7270
コース情報
担当教員: 角皆 宏
単位数: 1
年度: 2024
学期: 2クォーター
曜限: 月4
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
レポート
その他
出席状況・授業参画・演習・レポートなどにより,総合的に評価する。
詳細情報
概要
学部での数学の授業に引続くトピックとして,構成的ガロア理論の入門的内容を講義する。ガロア理論では所与の多項式のガロア群を決定することがまず大きな問題となるが,その逆方向として,所与の有限群に対してそれをガロア群に持つ多項式の存在を問うのが「ガロアの逆問題」である。特にそのような多項式の具体的な構成を重視するとき「構成的ガロア理論」と呼ばれる。本講義では,ガロア理論の復習から始めて,構成的ガロア理論の基本事項として,クンマー拡大・ヒルベルトの既約性定理・生成的多項式・ネーター問題などの話題から,基本的な内容を選んで紹介する。 講義中心で行なう。演習課題に関して受講生による板書発表も取り入れる予定。 理工学専攻数学領域(博士前期課程)のCP2前半「数学領域が提供する解析学・代数学・幾何学・数理統計などに関する科目を受講し,これらについて専門知識を得させる」に当たる科目である。
目標
・構成的ガロア理論に触れるとともに,そこで用いる基礎事項の理解を確認すること。 ・数学的視野を広げるとともに,修士論文に向けた取組みに活かすこと。 理工学専攻数学領域(博士前期課程)のDP2「数学および関連分野において最先端で活躍できる専門知識」「真理の探究・理論の発展およびそれを広く社会や次世代に伝えることのできる力」を身につける。
授業外の学習
各自の専門分野の学修を通じて,本講義の内容を活かしてもらいたい。特に予習を必要とはしない。復習は大切であろう。講義中に詳細を省略した部分などを補ったり,具体例について自分で計算してみたりするのが,復習としてよい演習になるだろう(週2~4時間程度)。演習課題に関する板書発表にも準備をして臨まれたい(数回1時間程度)。
所要時間: 3~4時間程度
スケジュール
- 構成的ガロア理論の基本事項について,受講生の希望や予備知識などを踏まえて選び講義する。初回の授業で相談する。以下は予定の一例である: 講義計画の相談と予備知識の確認 体論・Galois理論の復習
- Galois群の計算の具体例
- Kummer拡大
- 有理関数体上のGalois群の構成・Artinの定理
- Hilbertの既約性定理の紹介
- 生成的多項式・Noether問題
- 複比型Noether問題とその背景にある幾何
教科書
全体を通じて特定の教科書は指定せず,必要に応じ適宜紹介する。
参考書
必要に応じ適宜紹介する。数学図書室に関連書籍を用意しているので,是非活用されたい。
Inverse Galois Theory
著者: Gunter Malle , B. Heinrich Matzat
出版社: Springer-Verlag,1999
Topics in Galois Theory
著者: Jean-Pierre Serre
出版社: A K Peters, 2007
Generic Polynomials
著者: Christian U. Jensen, Arne Ledet, Noriko Yui
出版社: Cambridge University Press,2002