情報理論特論
博士前期課程理工学研究科 - 理工学専攻
MSIS7910
コース情報
担当教員: 澁谷 智治
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木4
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
その他
毎回の出席と説明の内容により総合的に評価します。説明の内容の方を重視しますので,単に出席するだけでは単位取得は不可能です。
詳細情報
概要
本講義では,現代暗号の根幹をなす「一方向性関数」の基礎について学ぶ。本講義の受講者は,各回の講義の最初に,こちらで指定した箇所について30分程度でプレゼンテーションを行うことを必須とする。その後,担当教員により解説が行われる。一方向性関数の定義や性質の解析に必要な確率的アルゴリズムの基礎から始め,一方向性関数に関する基本的な仮定,ビット安全性,一方向性関数と疑似ランダム性までを講義する。 この講義は情報学領域のカリキュラムポリシーの2「情報学領域が提供する科目を受講し,これらについて専門知識を得させる。また,特定のテーマについて研究を行い,このテーマと周辺について深い専門知識を得るとともに,研究の進め方,まとめ方,研究倫理などを学ばせる」科目に相当する。
目標
情報学領域のディプロマポリシー2に掲げる「情報学および関連分野において最先端で活躍できる専門知識を身につけるとともに,新技術の開発や新分野の開拓をできる力」を身につけることを目標とする。具体的な目標は以下のとおりである。 (1)決定性アルゴリズムと確率的アルゴリズムの違いについて理解する (2)現代暗号の根幹をなす一方向性関数の厳密な定義を理解する (3)一方向性の特徴を保証する基本仮定を理解する (4)一方向性関数のビット安全性について理解する
授業外の学習
講義は指定テキストのSection 5の最初から開始する。全受講者は,テキストの指定箇所の他,必要となる章を適宜読んでおくこと。 各回の担当者は,あらかじめ指定箇所を読んで理解し,さらにその内容について説明の準備を行うこと。また,全受講者は担当ではない回に関してもテキストの予習を行ってから講義に臨むこと。 ・テキストの予習:120分 ・発表資料の作成:120分
所要時間: 240分
スケジュール
- ガイダンス ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数は変更することがあり得る。
- 確率的アルゴリズム(1) コイン投げアルゴリズム
- 確率的アルゴリズム(2) Monte Carlo アルゴリズムと Las Vegas アルゴリズム
- 一方向性関数(1) 離散指数関数
- 一方向性関数(2) 一様標本抽出アルゴリズム
- 一方向性関数(3) モジュラー冪とモジュラー平方
- 一方向性関数(4) 平方剰余性特性
- 一方向性関数(5) 一方向性関数の定式的定義
- 一方向性関数(6) ハードコア特性
- 一方向性関数のビット安全性(1) Exp族のビット安全性(1)
- 一方向性関数のビット安全性(2) Exp族のビット安全性(2)
- 一方向性関数のビット安全性(3) RSA族のビット安全性(1)
- 一方向性関数のビット安全性(4) RSA族のビット安全性(2)
- 一方向性関数のビット安全性(5) 平方族のビット安全性
教科書
教科書として以下のテキストを使用します。初回の講義の際にコピーを配布します。
Introduction to Cryptography, Princeples and Application, 3rd Ed.
著者: R. Delfs, H. Knebl
出版社: Springer-Verlag, 2015年
参考書
書籍情報はありません。