コンピュータグラフィックスとバーチャル・リアリティ

博士前期課程理工学研究科 - 理工学専攻

MSIS7230

コース情報

担当教員: 牧野 光則

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 月3

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

レポート

85%

小テスト等

15%

その他

到達目標の二点((1)コンピュータグラフィックスや関連映像技術に関する基礎知識ならびに主要技法の 原理・アルゴリズム・特徴について理解し,説明できること,また,(2)主要技法を用いて指定された情景の画像を作成できること)について問う演習(講義終了直後あるいは数日後に提出)ならびにレポート(提出まで2週間以上の解答期間を設定)を講義中に複数回出題する。 (1)についてはレイトレーシング法,ラジオシティ法,Zバッファ法,レイキャスティグ法,マッピング,バーチャルリアリティに関する基礎技術を評価対象とする(学内外いずれかのCG・VR関連施設への見学・体験に関するレポートを含む)。(2)については,レイトレーシング法,CSGモデルを評価対象とする。解答の合計点を成績とし,合計点が60点以上の場合は単位取得の水準に達したと判定する。 レポートは計4回出題し,全ての回の解答・提出を必要とする。各回の評価基準は以下の通り: 第1回:レイトレーシング法が表現できる現象について正しく理解し,現実の風景と対比して説明できること。 第2回:CSGモデルによる形状設計を正しく理解し,実際に設計できること。 第3回:VRを中心とする技術の発展と社会との関係について,過去,現在,近未来について適切に調査・考察できること。 第4回:XRシステムの体験・視聴を通じて,授業で得た知識と関連付けて考察できること。 各回の「採点のめやす」は出題時に履修生に開示する。

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詳細情報

概要

コンピュータ技術の中核の一つである数値解析は様々な分野に応用されている。本講義ではコンピュータグラフィックス(CG),バーチャルリアリティ(VR)ならびに関連技術を取り上げ,画像や映像情報がどのような技術に支えられているかを講義する。また,Scientific Visualizationに代表される,可視化技術との関連についても講義する。 博士前期課程理工学専攻開講の選択科目として,CGエンジニア検定エキスパート水準に相当する知識を提供する。 アクティブ・ラーニングを原則として毎回実施する。具体的には,小テストにて授業内容に関する意見表明を毎回求める。

目標

(1)コンピュータグラフィックスに関する基礎知識ならびに主要技法の 原理・アルゴリズム・特徴について理解し,説明できること (2)主要技法を用いて指定された情景の画像を作成できること, の二点を到達目標とする。

授業外の学習

授業前には,事前に配布される講義資料に目を通し,講義内容の概要の理解に努めること。この際,主要キーワードの事前調査や授業中に確認したい項目の整理等をしておくこと。授業後には学習内容を振り返り,未確認事項がないように,かつ,さらに生じた疑問を解決するよう追加学習をした上で,小テストやレポートに取り組むこと。なお,事前・事後学習には講義内容に関連する映像視聴を多くの回で求める。事前に配布される資料でurlが記載されている映像は事前学習時に必ず視聴すること。また,事後学習時には学習内容を整理しながら再度映像を視聴することを求める。 加えて,授業内容に関連する都心近郊施設を提示するので,一箇所以上の見学・体験を行う。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. 第1回 CGとは (1) 定義 (2) 歴史
  2. 第2回 座標系,色表現,ディスプレイ機器
  3. 第3回 基礎的なレンダリング~物体表面への光の照射 (1) 色空間モデル (2) 反射モデルの原理と特徴 (3) シェーディングモデルの原理と特徴 (4) マッピングの原理と特徴
  4. 第4回 写実的なレンダリング(1)レイトレーシング法の原理 (1) 原理 (2) 特徴 レイトレーシング法が表現する主要現象に関して,レポート(1回目)を出題する。
  5. 第5回 写実的なレンダリング(2)レイトレーシング法の高速化,交差判定 (3) レイトレーシング法の高速化 (4) 交差判定
  6. 第6回 高速なレンダリング~Zバッファ法 ,スキャンライン法,GPU (1) バックフェースカリング (2) 奥行きソート法 (3) Zバッファ法 (4) スキャンライン法 (5) リアルタイムCG (ライブラリ,GPU)
  7. 第7回 形状モデリング(1)CSGモデル (1) 三角形の集合で表す形状の定義と特徴 (2) 陰関数曲面で表す形状の定義と特徴(CSGモデル) CSGモデルによる形状表現・画像生成に関して,レポート(2回目)を出題する。
  8. 第8回 形状モデリング(2)自由形状曲面 (3) パラメトリック関数曲面で表す形状の定義と特徴 (4) その他の形状モデリング
  9. 第9回 間接照明効果を含むレンダリング(1)ラジオシティ法 (1) 原理 (2) 特徴
  10. 第10回 間接照明効果を含むレンダリング(2)漸進的ラジオシティ法,フォトンマッピング,大域照明のリアルタイム表現 (3) 漸進的ラジオシティ法 (4) フォトンマッピング,大域照明のリアルタイム表現
  11. 第11回 空間に分布する情報の可視化~ボリュームレンダリング (1) 等値面表示の原理と特徴 (2) マーチングスキューブ法の原理と特徴 (3) 直接的ボリュームレンダリングの原理と特徴
  12. 第12回 クロス・リアリティ(1)VR (1) バーチャルリアリティ(VR) バーチャルリアリティが社会にもたらす影響に関して,レポート(3回目)を出題する。 また,CG,VR,AR関連施設見学に関するレポート(4回目)を出題する。
  13. 第13回 クロス・リアリティ(2)AR,MR,その他の臨場感技術 (2) 拡張現実感(AR) (3) 混合現実感(MR) (4) その他の臨場感技術 (5) クロスリアリティに対する期待と懸念
  14. 第14回 可視化(Visualization)・総括 (1) 可視化とは,可視化の意義 (2) Scientific Visualization (3) Data Visualization (4) Information Visualization 総括 講義で取り上げた技術の限界と解決の手立て,考慮すべき事項を述べ,総括の上,到達度確認を実施する。

教科書

テキストは指定せず,講義資料の事前配布を行うので,十分に予習することを期待する。参考書として以下の書籍を推薦する(合わせて本講義の半分程度をカバーする見込み)。

    参考書

    • コンピュータグラフィックス[改訂新版]

      著者: コンピュータグラフィックス[改訂新版]編集委員会

      出版社: CGーARTS協会, 2015年

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