電力ネットワーク工学

博士前期課程理工学研究科 - 理工学専攻

MSEE7211

コース情報

担当教員: 坂本 織江

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

リアクションペーパー

14%

レポート

56%

その他

一人1回,電力ネットワークに関わるテーマについての調査と発表を課す。

30%

詳細情報

概要

この講義では,電力ネットワークによる電力エネルギーの輸送と分配を扱う。電力ネットワークは電気エネルギーを発電設備から需要家まで送り届けるために不可欠であり,安定かつ効率のよい電気エネルギー利用のために,人による綿密な対応と,保護や安定化を含む高度な自動制御技術を用いて運用されている。本講義で学ぶ内容は再生可能エネルギーやスマートグリッドの導入にも深く関わるものである。 講義の前半では電力ネットワークの概要,主要な設備とそれらの特性について学ぶ。後半では,落雷などによる異常現象とその対策,自動保護システム,安定化のための制御システムなどについて学ぶ。 受講生にはレポート(2回を予定)に加え,一人1回,電力ネットワークに関するテーマについての調査と発表を課す。テーマについては授業内で説明する。 講義は主に配布資料と板書により進める。レポートと発表資料の提出にMoodleを用いる。Moodleの情報はレポート等の提出の前にLoyolaの授業掲示版に掲載する。 電気・電子工学領域のカリキュラム・ポリシーに関してはCP2について「電力に関する科目を受講し,専門知識を得る」ための内容を提供する。

目標

講義概要に挙げた内容について理解し,電力ネットワークを用いた電気エネルギーの利用に関連する諸問題について自ら気づき,考える力を身に付けることを目標とする。 評価における基準としては,講義での議論や担当するテーマの調査とその発表,レポートにおいて,本講義で学修した内容や各々の専門的な知見および調査した内容に基づいて自らの意見や提案を述べられることを目標とする。 電気・電子工学領域のディプロマ・ポリシーとの関連ではとくに「電気・電子工学および関連分野において最先端で活躍できる専門知識を身につけるとともに,新技術の開発や新分野の開拓をできる力」を養うことを目標とする。

授業外の学習

授業時間外の学習としては,講義で学んだ内容を復習し参考資料等を読んで理解を深めることと,本分野に関する新しい情報を自ら調べることを推奨する。(所要時間の目安:2時間/週) また,本講義では2回のレポートと,電力ネットワークに関わるテーマに関する調査と発表を課す。これらの課題への対応も授業時間外の学習となる。(所要時間の目安:1.5時間/週)

所要時間: 3.5時間

スケジュール

  1. ※以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数や順序は変更することがありうる。 1. ガイダンス,電力ネットワークとエネルギー輸送
  2. 送電のための主要設備とその特性(1) 架空送電系統
  3. 送電のための主要設備とその特性(2) ケーブル系統
  4. 送電のための主要設備とその特性(3) 直流設備
  5. 配電のための主要設備とその特性(1) 配電系統の特性
  6. 配電のための主要設備とその特性(2) 系統現象と対策
  7. 配電のための主要設備とその特性(3) 需要家設備
  8. 設備の絶縁と避雷
  9. 電力品質,異常現象とその対応
  10. 自動保護システム (1) 保護リレーの概論
  11. 自動保護システム (2) 電力用通信と系統保護
  12. 系統安定化システム (1) 電力系統の安定性
  13. 系統安定化システム (2) システムの考え方と構成例
  14. 講義のまとめ

教科書

講義資料を配布するので教科書の購入は必須ではないが,とくに深く学習したい分野に関しては教科書を購入して学ぶことを推奨する。

    参考書

    下記の他にも講義で参考文献を紹介する。

    • 現代 電力輸送工学

      著者: 関根・豊田・長谷川・原・松浦

      出版社: オーム社・1992

    • 送電・配電(改訂版)

      著者: 道上

      出版社: 電気学会;オーム社・2001

    • 電力系統安定化システム工学

      著者: 横山・太田 他

      出版社: 電気学会・オーム社・2014

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