量子物性工学
博士前期課程理工学研究科 - 理工学専攻
MSEE7030
コース情報
担当教員: 野村 一郎
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 水5
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 不可
評価方法
その他
出席状況,授業参加状況,演習及びレポートの成績,説明担当回での内容等により総合的に評価する。
詳細情報
概要
20世紀に誕生した量子力学は,今日の科学技術/産業の発展を支えている重要な学問であり,現在使われている様々な半導体デバイスの実現に大きく貢献してきた。その数ある半導体デバイスの中でも半導体レーザは,光通信やDVD等の光情報記録,光計測など様々な分野に応用され,量子力学の工学応用として目覚ましい成功を収めた成果の一つであると言える。本講義では,半導体レーザの原理,理論について学ぶことで電子の世界における量子力学的現象を理解し,量子力学/量子物性の基礎とその応用について知識を深めることを目的とする。具体的には,半導体レーザ及び量子力学の基礎について学んだ後,キャリア再結合やレーザ利得,しきい値電流等の理論について学習する。この講義は,カリキュラム・ポリシーである「電気・電子工学領域における半導体の専門知識を得る」ことに繋がる。 教材等の提供にはMoodleを使用するので,授業受講にあたっては,Moodleでコースの登録を済ませておくこと。履修登録とは連動していないので,各自で別途登録が必要である。 尚,本授業は参考資料を基に,各単元毎に担当箇所を割り振られた受講生が説明する輪講形式で行う。実施方法の詳細は初回の授業において説明する。
目標
半導体レーザの原理,理論について学ぶことで電子の世界における量子力学的現象を理解し,量子力学/量子物性の基礎とその応用について知識を深める。半導体レーザ及び量子力学の基礎に加え,キャリア再結合やレーザ利得,しきい値電流等に関する理論を習得する。この講義では,ディプロマ・ポリシーである「電気・電子工学および関連分野において最先端で活躍できる専門知識を身につけるとともに,新技術の開発や新分野の開拓をできる力を身につける」ことに寄与することを目標とする。
授業外の学習
予習として,各単元に関する内容を予め調べておく(各回所要時間1時間)。また,説明の担当回に向けては,当該箇所を参考資料等を用いて調べ,説明用図面等の準備を行う(所要時間14時間)。授業後は,学習した内容や課題等について復習し,理解を深める(各回所要時間2時間)。
所要時間: 4時間
スケジュール
- 半導体レーザの基礎
- 半導体レーザにおける光導波解析
- 半導体レーザの発振条件
- 量子力学の基礎
- 量子統計と密度行列
- 光と電子の相互作用
- 準位モデルを用いた解析
- 半導体のバンド構造とp-n接合
- 半導体における密度行列
- 電子緩和効果
- 双極子能率
- 光利得の理論解析
- しきい値電流密度の理論解析
- 半導体レーザの動作特性
教科書
授業において講義内容に沿った資料を配布する。
参考書
光通信工学
著者: 山田実
出版社: 培風館・1990年