大学院演習IA
博士前期課程理工学研究科 - 理工学専攻
MSCT3441
コース情報
担当教員: 星野 正光
単位数: 1
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 月5
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 不可
評価方法
出席状況
授業参加
その他
研究の進め方,研究成果,学術論文の内容理解,試問,および学術論文執筆,国際会議,学会等での発表も含め総合的に判定する。
詳細情報
概要
低エネルギー電子と原子・分子との衝突は,弾性散乱と非弾性散乱に大別される。中でも当研究室では,弾性散乱,分子の回転・振動励起,電子励起過程に着目し,微分断面積の定量測定を行ってきた。実験で測定された定量データは,少数多体問題における量子力学の検証だけでなく,様々な応用分野の基礎データとしても非常に重要視されている。そこで本講義では,理工学研究科理工学専攻物理学領域におけるカリキュラム・ポリシー2に基づき,ミクロな視点,特に原子衝突の中で最も基本的な低エネルギー電子衝撃についての理論的取り扱い,実験手法について実際の研究論文や文献から学ぶことで,原子・分子についての専門知識を得ることに加え,特定の研究テーマについてだけでなく,周辺の関連事項などの幅広い知識も身につけることで,研究の進め方,まとめ方,研究倫理も併せて学ぶ。
目標
理工学研究科理工学専攻物理学領域のディプロマ・ポリシー2に基づき原子・分子の専門的知識の習得を目的とし,最近の研究論文や過去の研究の輪読,そして実験実習を通じて,修士論文研究における電子と原子・分子衝突に関する概念,実験技術,理論的取り扱いについて習得することで,各自の研究テーマおよびその周辺関連事項に関する専門的な知識を身に着けることを目的とする。
授業外の学習
電子と原子・分子衝突に関するテーマについて毎回発表形式で行う。 【予習】事前に与えられた課題内容について参考資料を読み,関連事項について自ら調べ,発表スライドとしてまとめる(120分/回)。 【復習】講義時間終了後には,自分の発表で学んだことや追加事項に関する知識の定着,および実際の実験解析,研究発表の準備のための復習として内容をまとめる(70分/回)。
所要時間: 190分
スケジュール
- ガイダンス・実施の方法と講義内容の説明 ※以下のスケジュールは予定であり,進捗状況や理解度に応じて変更の可能性がある。
- 実験技術の基礎1:衝突断面積と真空
- 実験技術の基礎2:真空排気装置とその原理
- 実験技術の基礎3:真空計測装置とその原理
- 実験技術の基礎4:電子銃と電子ビーム・イオンビームの生成
- 実験技術の習得1:電子ビーム制御と静電レンズ
- 実験技術の習得2:静電型エネルギー選別器の原理
- 実験技術の習得3:誤差の取り扱い
- 実験技術の習得4:断面積測定の方法と種類
- 実験技術の習得5:断面積の定量測定
- 実験技術の習得6:微分断面積の外挿方法と積分断面積の導出
- 実験技術の習得7:光学的許容遷移と光学的禁制遷移の測定
- 実験技術の習得8:励起微分断面積と一般化振動子強度の関係
- 実験技術の習得9:実験装置・測定手法に関する最終報告
教科書
研究にかかわる専門分野の学術論文,特にその分野の実験装置に関する論文やテキストを用い,発表形式にまとめることで進める(別途指示する)。
参考書
書籍情報はありません。