古代哲学文献研究II
博士前期課程文学研究科 - 哲学専攻
MPPH7020
コース情報
担当教員: 荻野 弘之
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火2
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
20%
授業参加
80%
詳細情報
概要
昨年度に引き続き,新プラトン主義の基本文法を理解する。秋学期は, 否定神学の古典ともいえる擬ディオニュシオス『神名論』を精読する。 人間理性を超える神について何を語ることができるのか。言語の限界と,啓示の構造を考察する。被造物の美はいかなる秘密を宿すか。原因性と超越の関係,発出と帰還のメカニズム,一と多の弁証法など,中世の神秘神学やドイツ観念論にも絶大な影響を与えた形而上学の秘儀を多角的な視点から解剖する。 開講形態,受講者の問題関心や予備知識など勘案しながら,初回の授業でテキストの選定,進め方を決める。
目標
・新プラトン主義の思考の特徴を理解する。 ・難解なテキストを正確に読解する。 ・概念と実在の関係,あるいは哲学と宗教の関係を考える。 ・新プラトン主義の哲学史的な発展とその意義を理解する。 ・聖書の比喩的解釈との関係を考える。 ・進行については受講者と相談の上,柔軟に対処する。
授業外の学習
受講生の関心と予備知識に応じて,原典,邦語訳,注解書を往復する。 ギリシア語未修者のためには英仏訳・日本語訳を準備する。 毎回,当番を決めるが,受講者全員は毎週,集中的な精読が必要。
所要時間: 240分
スケジュール
- 打ち合わせ,受講者顔合わせ,授業の進め方について
- 教材のコピー配布,文献案内
- 新プラトン主義の展開,末期教父の時代(概説講義1)
- 比喩的聖書解釈について(概説講義2)
- 『神秘神学』テクスト講読(1)
- 『神名論』テクスト講読(2)
- テクスト講読(3)
- テクスト講読(4)
- テクスト講読(5)
- テクスト講読(6)
- テクスト講読(7)
- テクスト講読(8)
- テクスト講読(9)
- 影響史を考える
教科書
(1)は必携。必要ならコピーして配布する。 (2)は仏語対訳の原典
『キリスト教神秘主義著作集1 ギリシア教父の神秘主義』
著者: 熊田陽一郎訳
出版社: 教文館1992
Pseudo-Denys L'Areopagite, Les noms DIvins (Sources Chretiennes)
著者: Y. Andera ed.
出版社: Cerf, Paris, 2016
Corpus Dionysiacum I
著者: B. Suchla ed.,
出版社: Gruyter, 1990
参考書
書籍情報はありません。