経済法研究 II

博士前期課程法学研究科

MLLW7470

コース情報

担当教員: 楠 茂樹

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 火6

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

50%

授業参加

50%

詳細情報

概要

公共契約をめぐる官民協働を中心的テーマとして研究を進める。公共契約における契約者の選定手法は経済性の追求と競争性の確保とを柱として,同時に公正性や透明性といった要請も働いている。昨今,SDGsなどにもリンクする形で注目を浴びている「公共契約をめぐる官民協働」はこうした従来からある規律原理とどのような関係にあるか,そしてどのような調和が取られるべきか。協働は一歩踏み間違えれば癒着にもなり,官製談合防止法違反や場合によっては独占禁止法違反のような法令違反の問題も生じさせる危険がある。この授業では,比較法的な視点も踏まえ,官民協働をめぐる会計法令上の問題,経済法上の問題を中心に扱うこととする。

目標

公共調達分野における独占禁止法の適用のあり方等について自らの力で議論できるようにする。

授業外の学習

受講者に毎回報告させ,事後に適宜学習内容を確認するので,指示・配布された教材,資料を読み込みつつ,十分な予習,復習(毎回4時間)が求められる。

所要時間: 4時間

スケジュール

  1. イントロダクション:民間契約と公共契約の違い,公共契約に係る諸法令 *以下のスケジュールはあくまでも予定であって,初回の授業において受講生と相談して詳細な授業計画を立てる。
  2. 公共契約に係る法令の日本・EU・米国比較(1):米国法の概観
  3. 公共契約に係る法令の日本・EU・米国の比較(2):EU法の概観
  4. 公共契約に係る法令の日本・EU・米国の比較(3):比較
  5. 公共契約における官民協働(1):PFI契約
  6. 公共契約における官民協働(2):地方創生
  7. 公共契約における官民協働(3):持続可能な調達
  8. 公共契約における官民協働(4):緊急事態と官民協働
  9. 公共契約における官民協働(5):COVID-19
  10. 公共調達と競争政策(1):会計法令との関係
  11. 公共調達と競争政策(2):独禁法の適用
  12. 公共調達と競争政策(3):不正,癒着
  13. 公共調達とSDGsの総合的考察
  14. これまでの回顧と総括

教科書

初回の授業で指示する。なお,授業参加の前提として,以下の文献を事前に読んでおくこと(初回授業のディスカッションの材料とする)。 Shigeki Kusunoki, "Public–Private Partnerships in Relation to Public Contracts and Procurement: Japan’s Current Issues," KLRI Journal of Law and Legislation 11(1) 97-133 (2021).

    参考書

    Albert Sánchez Grails, Public Procurement and the EU Competition Rules (Second Edition), Hart (2015)

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