ソーシャルワーカー論研究

博士前期課程総合人間科学研究科 - 社会福祉学専攻

MHSV7590

コース情報

担当教員: 浅野 貴博

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 月2

形式: 対面授業

レベル: 600

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

授業参加

70%

レポート

30%

詳細情報

概要

「ソーシャルワークとは何か」「ソーシャルワーカーとは何をする者なのか」という問いは,その発祥から現在に至るまで問い続けられている古くて新しい問いであり,これまでソーシャルワーカーの専門性を巡り様々な議論が展開されてきた。本授業では,ソーシャルワーカーの専門性について多角的に考察する。本授業は,以下の4つのパートに大きく分けられる: 1)ソーシャルワーカーの専門性を巡るアメリカ及びイギリスの歴史,そして日本の歴史を理解する。 2)ソーシャルワーカーのナレッジベース(Knowledge base)が多様な形態から構成されていることを理解した上で,ソーシャルワーカーが習得すべきコンピテンシー/ケイパビリティについて理解する。 3)ソーシャルワーカーのアイデンティティを形成することの難しさが生じるコンテキスト(文脈)について理解する。 4)隣接領域の対人援助職と比べて,見えにくいソーシャルワーカーの専門性の可視化にあたっては,「研究」というアプローチが不可欠であるため,ソーシャルワーカーのプラクティショナー・リサーチの重要性を理解する。 さらに,上記についての学びを踏まえた上で,ソーシャルワーカーの養成と継続教育のあり方についても考察したい。本授業では,履修者同士のディスカッションの時間を多く設けたいと考えているが,願わくば,そうした分かち合いを通して現任のソーシャルワーカーの履修者が自身の「ソーシャルワーカーとしてのあり方(Ways of being a social worker)」を振り返る機会としたい。

目標

1. ソーシャルワーカーの専門性を巡るアメリカ・イギリス・日本の歴史を理解する。 2. 多様な形態から構成されるソーシャルワーカーのナレッジベースについて理解する。 3. ソーシャルワーカーのアイデンティティ形成の困難さの文脈について理解する。 4. ソーシャルワーカーのプラクティショナー・リサーチの重要性を理解する。

授業外の学習

授業に関連する文献を閲読し,授業でのディスカッションに備える。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. はじめに:授業のオリエンテーション
  2. ソーシャルワーカーの専門性を巡って(1)欧米の歴史①
  3. ソーシャルワーカーの専門性を巡って(2)欧米の歴史②
  4. ソーシャルワーカーの専門性を巡って(3)日本の歴史①
  5. ソーシャルワーカーの専門性を巡って(4)日本の歴史②
  6. ソーシャルワーカーにとっての“知(knowledge)”とは(1)
  7. ソーシャルワーカーにとっての“知(knowledge)”とは(2)
  8. ソーシャルワーカーのコンピテンシー/ケイパビリティ(1)
  9. ソーシャルワーカーのコンピテンシー/ケイパビリティ(2)
  10. ソーシャルワーカーとしてのアイデンティティ(1)
  11. ソーシャルワーカーとしてのアイデンティティ(2)
  12. ソーシャルワーカーのプラクティショナー・リサーチ(1)
  13. ソーシャルワーカーのプラクティショナー・リサーチ(2)
  14. まとめ

教科書

テキストは指定せず必要に応じて資料を配付する。

    参考書

    授業の中で適宜紹介する。

    • 『社会福祉専門職の研究』

      著者: 秋山智久

      出版社: ミネルヴァ書房・2007年

    • 『社会福祉職発達史研究:米英日三カ国比較による検討』

      著者: 伊藤淑子

      出版社: ドメス出版・1996年

    • 『ソーシャルワーカー論:「かかわり続ける専門職」のアイデンティティ』

      著者: 空閑浩人編著

      出版社: ミネルヴァ書房・2012年

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