中国の地域社会2
博士前期課程総合人間科学研究科 - 社会学専攻
MHSC7420
コース情報
担当教員: 朱 安新
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 水3
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
レポート
その他
なし
詳細情報
概要
「中国の地域社会1」は,現代中国の社会的変化にアプローチする重要な手掛かりを提供する。20世紀から現在までの中国の地域社会は,国民党支配期の地域崩壊,社会主義革命,「計画経済」,「単位制度」,「改革開放」,市場化,「社区づくり」,グローバル化などの著しい変動を背景に,様子が変わってきた。地域社会を通じて,変動の激しい100年来の中国社会を捉えることは,学問的に重要な課題であるだけでなく,グローバルな社会変動についての教養の一部を成している。こうした課題にアプローチするために,社会学における理論,視角に基づいて,中国の地域社会の歴史的変遷について知識と思考を深めることが有意義であり,必要である。 変動の激しい中国の地域社会について,幾つかのトピックに即して,社会学基礎理論と最新の研究成果を踏まえて理解を深めることが本講義の目的である。授業では,(1)中国地域社会の原型,(2)20世紀30年代中国地域社会の解体,(3)社会主義政権計画経済期の「単位中国」と地域社会,(4)「改革開放」期の地域社会,(5)市場化と地域社会の構造転換,(6)中国の地域社会のゆくえなどのトピックについて,事実の把握を踏まえて社会学の視点からアプローチする。受講生は,激しく変動する中国の地域社会の実相と,それをとらえる社会学の視点について学びを深めることが期待される。
目標
以下を到達目標とする。 1.中国の地域社会に関する主要な社会学的知見を理解する。 2.地域社会への社会学的アプローチの特徴を理解する。 3.中国の地域社会研究および東アジアのグローバルな社会変動と関連づけながら自らの問題関心を深める。
授業外の学習
中国の地域社会にかかわる文献の指定箇所を精読,要約し,コメントを考えて授業に臨むこと。さらに,授業後には,授業の内容を踏まえてリアクションペーパーを作成し指示された方法で提出すること。予習・復習時間としては,毎週190分以上が期待される。
所要時間: 190分以上
スケジュール
- ガイダンス
- 中国地域社会の原型1
- 中国地域社会の原型2
- 世紀30年代中国地域社会の解体1
- 世紀30年代中国地域社会の解体2
- 社会主義政権計画経済期の「単位中国」と地域社会1
- 社会主義政権計画経済期の「単位中国」と地域社会2
- 「改革開放」期の地域社会1
- 「改革開放」期の地域社会2
- 市場化と地域社会の構造転換1
- 市場化と地域社会の構造転換2
- 中国の地域社会のゆくえ
- 総合討論1(参加者による報告+ディスカッション+教員のコメント)
- 総合討論1(参加者による報告+ディスカッション+教員のコメント)
教科書
教員がパワーポイント資料を用意し,配付する。
参考書
郷土中国・郷土再建
著者: 費孝通
出版社: 東京大学出版会, 2021
現代中国社会の編成原理ーー「単位社会体制」の形成とそのメカニズム
著者: 路風
出版社: 立命館法學 1989 pp.787~82
中国の公共性と国家権力 : その歴史と現在
著者: 小嶋華津子
出版社: 慶應義塾大学出版会, 2017