歴史社会学特講
博士前期課程総合人間科学研究科 - 社会学専攻
MHSC7290
コース情報
担当教員: 猿谷 弘江
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 木4
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
レポート
詳細情報
概要
歴史社会学は社会学の一領域であり,国によって発展の経緯は異なりますが,理論と方法論に関しては,第2次世界大戦後に,ヨーロッパからの亡命知識人を含めたアメリカ社会学のなかで発展してきたという歴史的経緯をもちます。歴史社会学が対象とするトピックは,近代化,植民地化,脱植民地化,ナショナリズム,資本主義,国家,市民社会,革命,社会運動などで,他の社会学(または社会科学)の下位領域と重なるものも多くあります。しかし,歴史社会学という学問領域自体は,「いかに社会変動を説明するか」を主要な問いとして,歴史学者,あるいは科学史家などとの間接的な対話,また直接的には計量社会学者との論争や,歴史社会学者内部での論争を経て確立されてきたといえます。 今学期は,1960年代の世界の社会状況や歴史を学ぶことを目的として Todd Gitlin(トッド・ギトリン)の『The Sixties: Years of Hope, Days of Rage』を輪読します。Gitlin は学生運動家としての経歴をもち,後に社会学者になりました。現在の私たちが直面する戦争,民主主義のあり方,多様性の包摂,環境問題といった社会問題は,1960年代にも存在し,これらの問題に対して,各国では多くの社会運動が起こりました。授業では,当時の社会の状況や動向についてだけでなく,現代の社会のあり方についても考察と議論を行っていきたいと思います。 授業では,毎回,課題の文献について報告者の発表とディスカッションを行います。 この授業は入門編で,社会学に精通していなくても構いません。専攻を問わず,関心のある学生の受講を期待します。なお,授業は日本語で行いますが,テキストは英語を用います。
目標
(1)社会変動や社会変化について,分析,考察する方法を理解する。 (2)1960年代からの社会の歴史的な経緯について理解を深め,各自の研究の発展に役立てる。
授業外の学習
この授業では,テキストを輪読します。受講者は,毎週,該当の箇所を事前に読み,ディスカッションのための質問や議題を各自準備しておくこと。予習・復習時間としては,190分程度が期待されます。
所要時間: 授業1回あたり190分
スケジュール
- ※以下は予定であり,進捗状況によって変更する可能性があります オリエンテーション
- The Sixties, Preface & Introduction
- The Sixties, Ch 1
- The Sixties, Ch 2 & 3
- The Sixties, Ch 4 & 5
- The Sixties, Ch 6
- The Sixties, Ch 7 & 8
- The Sixties, Ch 9 & 10
- The Sixties, Ch 11 & 12
- The Sixties, Ch 13 & 14
- The Sixties, Ch 15 & 16
- The Sixties, Ch 17 & 18
- The Sixties, Ch 19
- 議論のまとめ
教科書
授業で用いるテキストは以下の通り。詳細は授業中に指示します。
The Sixties: Years of Hope, Days of Rage (Revised Edition)
著者: Todd Gitlin
出版社: Bantam Books, 1993
参考書
書籍情報はありません。