ライフスタイルと社会政策I

博士前期課程総合人間科学研究科 - 社会学専攻

MHSC7170

コース情報

担当教員: 藤村 正之

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 金2

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

10%

授業参加

40%

リアクションペーパー

30%

レポート

20%

その他

各回での報告・リアクションペーパーならびに全体討議への参画,レポート作成を総合的に判断する。

0%

詳細情報

概要

ライフスタイルやライフコース,社会問題と社会政策の関連という具体的対象の分析・検討をふまえ,社会学の視点・分析枠組・方法について理解を深め,各自の研究に応用していくことを到達目標とします。また,レジュメの作成や的確なコメント,討議の質の向上など,研究者・専門実務家の卵にふさわしいコミュニケーション能力の醸成もめざします。 春学期は,近年の社会的関心の高まりとも呼応して,個人化といわれる社会的動向の中での社会関係に関する社会学的研究を取り上げたいと思います。個々人としての存在であったり,家族以外の親密な社会関係など,多様な現象への着目がなされてきており,このテーマに関する基本的研究視角や理論を学びつつ,複数のトピックスの研究動向を追うことにします。そのようなトピックスの候補として,友人関係や友情,孤立や孤独,シングル化やひとり現象,社会関係資本などをあげておきます。 院生の報告・コメント,教員からの講義や解説,グループや全員での討議という形で基本的に進行し,基本文献・応用文献の学習を通じて,研究の基礎を学んでいきます。

目標

(1)文献の報告などを通じて,論文を読解し論点を整理する力,要点のまとめられたレジュメを作る力,わかりやすい発表をおこなう力を身につけていく。 (2)全員での討論を通じて,問題を発見する力,相互の議論を位置づけていく力,議論の流れをサポートする力を身につけていく。 (3)授業全体を通じて,社会学の理論と方法を自分の研究テーマに結びつけて,実践的に使えるような研究態度を身につけていく。

授業外の学習

予習として,授業で取り上げる文献について読了し,関連する論文やデータ・資料などについても読んだり,調べたりする。また,当日の討論可能なように,自分の問題意識を確認し整理しておく。 復習として,授業中に紹介した文献について,できるだけ多く読了し,社会学の理論や方法論について理解を深める。

所要時間: 予習3時間,復習1時間程度

スケジュール

  1. (※以下は予定であり,授業の進捗状況によって,各テーマの順番や回数などについて変更することががありえます。) 今期の進行計画の確認・テーマの概況の紹介
  2. 基礎文献の輪読(第1クール)1・・石田光規『友人の社会史』(友人関係の複雑化)
  3. 同上 2 (個人化・心理主義化)
  4. 同上 3 (よき友人関係)
  5. 基礎文献の輪読(第2クール)1・・D.チェンバース『友情化する社会』(社会的紐帯の変容)
  6. 同上 2 (性別ごとの絆)
  7. 同上 3 (共同体の衰退と隆盛)
  8. 同上 4 (社会的関係性と個人的関係性)
  9. 応用文献の輪読Aー1(基礎)・・院生との協議により確定
  10. 同上 2 (応用)
  11. 同上 3 (展開)
  12. 応用文献の輪読Bー1(基礎)・・院生との協議により確定
  13. 同上 2 (応用)
  14. 「個人化と社会関係の社会学」の研究動向まとめ

教科書

下記文献を主に用いつつ,参加学生とも相談する。

  • 『友人の社会史』

    著者: 石田光規

    出版社: 晃洋書房・2021年

  • 『友情化する社会』

    著者: D.チェンバース

    出版社: 岩波書店・2015年

参考書

  • 『個人化社会』

    著者: Z.バウマン

    出版社: 青弓社・2008年

  • 『孤立不安社会』

    著者: 石田光規

    出版社: 勁草書房・2018年

  • 『つながる・つながらないの社会学』

    著者: 長田攻一・田所承己編

    出版社: 弘文堂・2014年

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