グループ・アプローチ特論

博士前期課程総合人間科学研究科 - 心理学専攻

MHPS7420

コース情報

担当教員: 大沼 幸子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 水1

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

20%

授業参加

30%

リアクションペーパー

20%

レポート

30%

詳細情報

概要

全て対面授業とする。グループとは,メンバーが互いに助け合う場である。また,他者に何かしら提案することができるという経験がメンバーの自尊心を向上させ,さらにより適切な対処の仕方と対人的技能の進展を可能とするものである。本講義では,グループ臨床の理解のための実践を通して,集団凝集性の中で実現される人間的成長と心理療法について学ぶ。内容として,集団のメンバー体験を導入して,随時そのプロセスにおける留意点を解説する。そのうえで,グループアプローチに関する理論と実際,およびグループリーダーのあり方について学習する。

目標

心理臨床に関わる者として必要なグループアプローチに関する知識の習得を目指す。また,サイコセラピストに求められる実存的要素(生きる意味)についても考えを深め,グループを扱う臨床家としての技量を高めていくことを目標とする。さらに,身体動作や姿勢のあり方に示される心理状況について理解し,このような身体的・心理的事実に対するアプローチの方法を探りながら,自己洞察に繋げて,自らの臨床家としての資質の向上を目指す。

授業外の学習

心理臨床家には「遊び心」「想像力」が大切であるが,その理由について考えてくる。参考書などを読んでくることが望ましいが,講義の中でも適宜紹介する。

所要時間: 190分以上

スケジュール

  1. オエンテーション ウォーミングアップ 集団精神療法の歴史,グループとは何かについて学習する。
  2. .集団心理療法の理論と実際について学習する。集団心理療法の効果および適応決定に関する知識の獲得を目指す。資料:ヤーロム「グループサイコセラピー」 *レポ―ト課題文献「癒しの臨床」を読み,レポートする。
  3. 課題レポート提出 映画「カッコーの巣の上で」の集団療法の場面を考察する。 集団療法のウォーミングアップの紹介と体験
  4. べてるの家のSST,精神症状のとらえ方,症状に対するアプローチについて,向谷地生良氏の文献より学ぶ。集団療法のウォーミングアップの体験する。グループムーブメント体験1。自己と他者の姿勢・行動から心理状況の関連について学ぶ。
  5. グループムーブメント体験2。動きを通して他者との関係づくりを体験し,その後レビューを通して振り返りながら知識を獲得する。
  6. グループムーブメント体験3。タッチングやリラックス技法を学びグループで体験する。それらが心身に及ぼす影響について,体験を振り返りながら実際的な知識を獲得する。
  7. 精神科病院におけるダンス・ムーブメントセラピーの実際についてビデオ学習し,セラピストの関わり,人間観,治療観について学ぶ。海外の著名なセラピストについても紹介し,様々なアプローチがあることを学ぶ。
  8. ダンス・ムーブメントセラピー体験4。実際のグループセッションを行い,その後レビューを通して振り返りながら実際的な知識を獲得する。
  9. ケーススタディ。ダンス・ムーブメントセラピーを取り入れた展開の体験5。その後レビューを通して振り返りながら実際的な知識を獲得する。
  10. ファンタジーセラピー,ダンス・ムーブメントセラピー体験6。実際のグループセッションを行い,その後レビューを通して振り返りながら実際的な知識を獲得する。
  11. 海外のパイオニアのビデオから,障害を抱えた子どもたちへのダンスセラピーのアプローチを学ぶ。それを通して,グループリーダーの機能,役割,留意すべき点について学習する。
  12. 増野肇監修のサイコドラマのビデオから理論,展開について学び,サイコドラマの手法を応用し,リーダー役を体験し,メンバーの課題や目標をどのように展開していくか実際に行う。展開の方法についてピアスーパービジョンを行う。
  13. ダンス・ムーブメントセラピー体験5。舞踏家大野一雄の言葉から思想を学び,舞踏を体験する。死生観に関するヒントを得る。
  14. グループ体験とグループリーダー(セラピスト)に関する全体の振返りを行う。
  15. 自己分析(集団と個人)及びグループアプローチの効用と限界に関するレポート

教科書

心理臨床に関する論文や文献を使用するため, 授業内で案内する。

  • ケアに活かすダンス&ファンタジーセラピー 癒しの臨床

    著者: 大沼小雪

    出版社: エム・シー・ミューズ,2008

参考書

心理臨床に関する論文や文献を使用する。文献は授業内で案内する。

  • 書名/Title :ダンスセラピーの理論と実践 からだと心へのヒーリグ・アート

    著者: 平井タカネ監修,大沼幸子,﨑山ゆかり他編集

    出版社: ジ・アース教育新社,2012

  • ダンス・ムーブメントセラピー 癒しの臨床

    著者: フラン・J・レヴィ 町田章一訳

    出版社: 岩崎学術出版社 2018

  • やさしい集団精神療法入門

    著者: 山口隆,増野肇,中川賢幸 編

    出版社: 星和書店,1987

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