心理統計法特論

博士前期課程総合人間科学研究科 - 心理学専攻

MHPS7410

コース情報

担当教員: 萩生田 伸子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 木1

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

授業参加

20%

レポート

80%

詳細情報

概要

内容:心理学分野の論文を読んだり,データの分析を行う際に必要とされる多変量解析的手法の知識獲得を目指します(心理系向け講義です).具体的には重回帰分析,主成分分析,因子分析,パス解析,クラスター分析等を考えています.内容については受講生のみなさんの予備知識と希望に添うようにある程度対処したいと思いますが,各手法の原理の説明は省くことはいたしません(面倒な理屈はどうでも良い方・多変量解析などブラックボックスのままで論文を済ませたい方の場合は,むしろ SPSS のマニュアル本を参照した方が合理的と思われますが,少し頑張って理解を深めてみませんか?). 授業の前に,多変量解析を使用している論文を見つけてもらおうと考えています(論文に掲載されている多変量解析的手法の結果の見方の解説もしたいので.そして学んだことを修士論文執筆に活かして欲しいと思います). 連絡先メールアドレスは授業中にお知らせします.

目標

主に心理学の分野で使用される多変量解析的手法のうち,代表的なものについて理解し,適切に使用できる.

授業外の学習

一般的な予習・復習の他に,『多変量解析を使用した論文』を見つけ出して読んでくる等の学習をすると理解が深まると思います.みなさんが卒論などで集めたデータなどが手元にあるならば,それを実際に分析してみるとさらに理解が深まると思います. データ分析は経験すればするだけ上達します.

所要時間: 授業 1 回あたり 190 分以上です.

スケジュール

  1. 詳細は初回に相談をしたいと思いますが,基本的にガイダンスと,平均や分散,標準偏差,共分散,相関などの統計学に関する基本的な部分の復習をおこないます.以下,適宜SPSS&AMOSの操作に関する話題が加わります.
  2. 測定の信頼性と妥当性(ただし説明が不要でしたら,予定を繰り上げて重回帰分析の説明に入ります.場合によっては適宜Rの使い方を説明をします). みなさんが今までに読んだ論文のうち,多変量解析的手法が用いられているものを持ってきて下さい.
  3. 回帰分析について 最も基本的な多変量解析的手法である回帰分析について説明します.
  4. 重回帰分析について 最小二乗法の考え方,係数の有意性検定,モデルの適切さなど.
  5. 続・重回帰分析について やや発展的な話題も含めて.ロジスティック回帰(or判別分析).(時間に余裕があれば決定木なども)
  6. 主成分分析について
  7. 探索的因子分析について PCA と FA は何となく似ていますが,別物です.
  8. 続・探索的因子分析について 因子数,回転の話を中心に.因子分析と主成分分析の違いなど
  9. クラスター分析 『似たもの同士をまとめる』手法.階層的クラスターの話
  10. 続・クラスター分析 非階層的クラスター分析の話も含めて
  11. パス解析について 重回帰分析との関係は?
  12. 続・パス解析について.各種のモデル. 時間に余裕があれば確認的因子分析も取り上げたいと思います.
  13. 構造方程式モデリングについて 心理系の論文でも見かけることが多い手法です.
  14. 続・構造方程式モデリングについて.適合度指標などを中心に (時間に余裕があれば対応分析なども取り上げたいと思います.逆に時間に余裕がない場合は,パス解析,確認的因子分析,構造方程式モデリングの話を同時並行的に進めることになります). 進行状況によっては順番の入れ替えや予定の変更がおこなわれる場合があります.

教科書

多変量データ解析法―心理・教育・社会系のための入門 足立 浩平 をテキストの候補として考えています(その他の希望がありましたら教えてください)

    参考書

    • グラフィカル多変量解析

      著者: 狩野裕・三浦麻子

      出版社: 現代数学社

    • 多変量解析実例ハンドブック

      著者: 柳井晴夫他

      出版社: 朝倉書店

    • 多変量解析法入門

      著者: 永田靖・棟近雅彦

      出版社: サイエンス社

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