福祉心理学特論(福祉分野に関する理論と支援の展開)
博士前期課程総合人間科学研究科 - 心理学専攻
MHPS6390
コース情報
担当教員: 河合 美子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 月1
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 不可
評価方法
授業参加
リアクションペーパー
レポート
その他
授業での各自のテーマでのプレゼンテーション(配布資料を含む)
詳細情報
概要
本授業では,福祉分野で直面する多様な問題の解決に心理学を活用するにあたって,求められる考え方(理念,価値),知識および支援方法を学ぶ。社会福祉の分野は広範囲にわたるが,まずは精神保健福祉を入口として,対象者の生活上の問題とその背景,心理社会的課題を多面的にとらえ,福祉・心理両面からの支援を論じる。 障害者,児童,高齢者などいずれの分野においても人権尊重を念頭に置き,虐待や権利侵害の防止への取り組みにも着目する。なお,本科目は公認心理師の受験資格に必要な科目である。 履修者は,福祉分野で各自が関心のあるテーマを選択し,文献・資料に基づいて学期中に1回発表を行い,そのテーマに関するレポートを学期末に作成する(レポートの作成要領は,授業で提示し,説明する)。
目標
1)福祉現場において生じる問題をとりあげ,心理学の理論や技法がどのように支援に活用できるかを説明できる。 2)対象者の持つ心理社会的課題を環境や生活背景との関係で把握し,解決策を考察し,提案することができる。 3)心理的支援を必要とする当事者,関係者,および他の専門職と協働するための留意点をあげることができる。
授業外の学習
1)福祉現場で生じている問題に関心を向け,文献,新聞,インターネット等で情報を得て,考えたことを記録しておく。 2)授業に関する連絡内容を確実に把握し,テキストや資料を読む。 3)授業のテーマに関連する用語や法律・制度の内容を調べる。 4)授業後に講義・発表・議論を振り返り,自分の考察を文章化する。
所要時間: 190分
スケジュール
- /30 福祉心理学の概観,福祉分野における心理支援 2回目以降はおよその内容を示す。授業の進捗状況により,各テーマの回数は変更することがありうる。後半の各回は,受講生の発表と討議を中心に進める。各回のテーマとその順序は,受講者の希望を調整して決定するので,変更がありうる。
- /7 福祉的支援の考え方と歴史
- /14 福祉的支援の方法と技術 ソーシャルワークと心理支援
- /21 障害者福祉の理解 (1) 障害のとらえ方
- /28 障害者福祉の理解 (2) 障害者総合支援法と生活支援
- /11 精神保健福祉分野における支援事例と多職種連携
- /18 生活困窮者への心理的支援
- /25 児童福祉の理解と心理的支援 (1) 児童発達支援
- /2 児童福祉の理解と心理的支援 (2) 児童虐待への対応
- /9 ひきこもり支援・発達障害者支援
- /16 精神障害者の生活支援・就労支援
- /23 高齢者福祉の理解と心理的支援
- /6 家族・支援者への心理的支援
- /20 授業の総括・グループ討議
教科書
山中克夫・四ノ宮美惠・宮本信也 編 福祉心理学 医歯薬出版,2022 ISBN 978-4-263-26652-6
参考書
以下の概説書のほか,テーマごとに授業で紹介する。 中島健一(編) 福祉心理学 遠見書房 2018