看護研究法 II(質的研究)
修士課程総合人間科学研究科 - 看護学専攻
MHNU7220
コース情報
担当教員: 森岡 崇
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 火5
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
リアクションペーパー
レポート
詳細情報
概要
2冊のテキストを輪読しながら,看護研究,とくに質的研究法の基礎の一つである社会学的手法・発想法を中心に紹介して行く。その際は,基礎から実践までを視野に入れ授業を展開してゆくこととする。したがって,社会学の基礎知識は必要ない。必要に応じ適宜解説してゆく。 1冊目(好井)は,社会学的発想の基礎から応用としての調査までを視野に入れた優れたテキストで,これを元に質的調査を行う際の諸論点を確認して行く。 2冊目(戈木)は,具体的な調査手順(主にデータ分析)の基本書である。技法を学びつつ,随時参考書も参照してゆく。 参考書(戈木)は,第一級の質的な看護研究のモノグラフである。質的手法を使うことで日本の看護研究は何をしてきたのか,その一つの到達点を読み込むこで,質的手法の意味を確認してゆきたい。
目標
1)データを読み解きまとめる際の基礎知識を習得し,応用できるようになる。 2)その際に配慮しなければならない諸点に気づくことができるようになる。 3)質的データ処理の基礎の習得。 ただし,研究者として最終的にはアウトプットが出せる能力が求められるが,この授業では,そこへ至る道筋を提示する。
授業外の学習
適宜提示・紹介する文献を,読み込んでくることが必須となる。 ただし,いわゆる文献購読の経験がない履修者には,必要に応じて基礎からサポートを行うが,それなりの事前学習が必要となる。 また,各自が簡単なデータを持ち寄り,具体的にその処理を行いながら手法を学ぶことになるので,授業時間以外にデータ収集(開講前に準備する必要はない)・分析作業が必要となる。 テキストは2冊とも大変読みやすいものである。授業とは関係なく,楽しく事前に通読しておくことをお勧めする。
所要時間: 200分
スケジュール
- イントロダクション 看護研究と質的研究の位置付け ※ 以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数は変更することがありうる
- 社会の見方と看護研究と
- 質的研究とは?(1)量的 vs .質的 ?
- 質的研究とは?(2)グラウンデッド・セオリーを中心に
- 質的研究とは? (3)その他の手法
- データの読み方・まとめ方
- 事例検討(1)
- 事例検討(2)
- 事例検討(3)
- 既存研究の検討(1)
- 既存研究の検討(2)
- 混合研究法について(1)
- 混合研究法について(2)
- まとめ
教科書
授業の進み具合により,適宜追加テキストを提示する。
「あたりまえ」を疑う社会学 質的調査のセンス
著者: 好井裕明
出版社: 光文社新書 2006
グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた研究ハンドブック
著者: 戈木クレイグヒル滋子
出版社: 新曜社 2021
参考書
闘いの軌跡 小児がんによる子どもの喪失と母親の成長
著者: 戈木クレイグヒル滋子
出版社: 川島書店 1999