国際比較文化論

修士課程総合人間科学研究科 - 看護学専攻

MHNU7140

コース情報

担当教員: 土居 由美

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 火6

形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

15%

授業参加

15%

リアクションペーパー

20%

レポート

50%

詳細情報

概要

グローバル化する現代社会のなかで患者中心の医療・看護を考えるとき,それぞれの人の生活背景となる文化との相関を視野に入れることが必要となります。 この授業では,医療・看護における国際比較文化というテーマのもとに,医療人類学の視座を取り入れ,「多様性」と「包摂」を基軸において,様々な文化と死生観・身体観・病気観の関わりを学び,治療とケアの臨床にそれらがどのような影響を与えているかということを考察します。 さらに,東西の思想・宗教文化を含むいくつかのテキストを味読しながら,他者理解とは何かについて考え,他者理解の基本となる自己理解を深めながら,固有の他者である患者理解に努め,これを通して,様々な人々と協働しながら,自律的な自己決定と固有の他者の生を支えるということを再考します。 *授業は講義形式を基本としますが,対面の回では,受講生の皆さんの積極的な発言や討議を求めます。

目標

1. 文化に応じた人間観・死生観・身体観・病気観の相違を理解し,それらが治療・ケアの文化の相違となって発現することを認識できるようになる。 2. 宗教・思想文化による人間観・死生観・身体観・病気観の相違,それぞれの社会・文化と医療との関りを多角的に認識することができるようになる。 3. 様々な文化を学ぶことを通して自らの文化に基づく価値観を相対化しながら,自己理解を深めた上で,様々な人々と協働しながら,固有の他者である患者をケアする際の文化的アプローチができるようになる。 4. 看護の臨床において,生物・社会・心理の諸側面に,比較文化という視点を加えることを通して,検討力を高めることができるようになる。

授業外の学習

・次回授業のテキスト・参考文献を読んだ上で授業に出席して下さい ・授業内で提示された新たな視点・内容を整理し,紹介された参考文献なども紐解きながら,復習をして下さい ・各講義終了後に,課題(リアクションペーパー相当)を提出して下さい。

所要時間: 授業1回あたり,下記の授業時間外学習時間を最低限の基本とします。 予習:約1.5時間 復習・課題作成:約1.5時間

スケジュール

  1. 導入:医療・看護の臨床におけるケアと国際文化 (対面)
  2. 世界の諸データと文化 (オンデマンド)
  3. 世界の諸宗教と文化 (オンデマンド)
  4. 医療人類学の視座と文化との関わり (対面)
  5. 様々な死生観と文化:『死にカタログ』から (対面)
  6. 病と文化(1) 一神教の人間観・死生観・身体観・病気観 (オンデマンド)
  7. 病と文化(2) 多神教的人間観・死生観・身体観・病気観 (オンデマンド)
  8. 病と文化(3) 仏教的人間観・死生観・身体観・病気観 (オンデマンド)
  9. 病と文化(4) アニミズム的人間観・死生観・身体観・病気観 (オンデマンド)
  10. テキスト購読(1) 購読テキストの選定(対面)
  11. テキスト購読(2) 食と病,社会・個人と病(オンデマンド)
  12. テキスト購読(3)食と病,社会・個人と病(対面)
  13. テキスト購読(4) 物語と病,治療と治癒,創造性と病(対面)
  14. 総括(自己理解と他者理解・自己決定を支える協働)(対面)

教科書

オンデマンドの回では,講義に応じたプリントを配布します。 テキスト1は各自ご購入下さい。 *入手が困難な場合には,(開講後)ご相談下さい。

  • 『死にカタログ』

    著者: 寄藤文平

    出版社: 大和書房 2005年

参考書

  • 『医療人類学入門』

    著者: 波平恵美子

    出版社: 朝日新聞社・1994年

  • 『ケアをすることの意味: 病む人ととも に在ることの心理学と医療人類学』

    著者: アーサー・クラインマン,皆藤章,江口重行

    出版社: 誠信書房・ 2015年

  • 治療は文化である-治癒と臨床の民族誌

    著者: 森岡正芳編

    出版社: 金剛出版・2020年

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