ヘルスケア哲学

修士課程総合人間科学研究科 - 看護学専攻

MHNU7120

コース情報

担当教員: 丹木 博一

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 木4

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修: 不可

評価方法

授業参加

14%

リアクションペーパー

14%

レポート

50%

その他

授業内での研究発表=授業の最終回に,それまでの授業内容を踏まえ,自身の臨床経験の振り返りに基づく研究発表を行う。

22%

詳細情報

概要

・疾病構造の変化や医療制度の改革にともない,近年ヘルスケアへの関心がますます高まっている。そうした現状を見据え,望ましいケアのあり方を模索するために,改めて健康概念に潜む多様な意義を洗い出すとともに,心身が病み傷つくことについて現象学的考察に基づき,人間の身体性や人間関係の相互性に関する理解を深めていく。授業に際しては,医学史や生命倫理学の動向にも目を向け,受講者が自らの思想的基盤を見つめ直すための機会となるように配慮する。 ・教員によるテーマの説明と問題提起,学生によるレポート,教員による補足説明,学生と教員相互のディカッションという流れで進めていく。

目標

1)健康と病気の概念が現代社会においていかに用いられているかを検討し,批判的な問いを提起できる。 2)心身が病み傷つくことについて,現象学的方法による考察ができる。 3)ヘルスケアの現状を明確に把握し,その課題と可能性を把握できる。 4)自らの臨床経験を振り返り,授業内で論じたテーマについて考察を進めることができる。

授業外の学習

授業に先立って教科書の指定した範囲を事前に読んでおき,授業時にレポートをしてもらう。活発な質疑応答ができる準備をしておくこと。

所要時間: 120分

スケジュール

  1. 健康概念への問いかけ
  2. 健康概念の多様な意味 と その社会的位置
  3. 健康概念の歴史的変遷
  4. 健康と病いおよび障害との関係
  5. 正常と異常への問い
  6. 身体現象の多層性
  7. 病むという経験の意味
  8. 人間の条件としての傷つきやすさ
  9. 心身の可塑性 と レジリエンス
  10. ケアの人間存在論的意味
  11. セルフケアのケア と ケアの相互性
  12. ケア主体の形成の可能性
  13. ケアを形成する場の力 と 癒し
  14. 研究発表 と まとめ

教科書

授業では毎回テキスト1を使用する。授業開始時までに購入しておくこと。その他の資料については,授業時に適宜指摘する。

  • いのちの生成とケアリング─ケアのケアを考える

    著者: 丹木博一

    出版社: ナカニシヤ出版,2016年

参考書

  • 現象学的人間論と看護

    著者: ベナー/ルーベル

    出版社: 医学書院,1999年

  • 傷ついた物語の語り手

    著者: アーサー・W・フランク

    出版社: ゆみる出版,2002年

  • 八つの人生の物語

    著者: A・クラインマン

    出版社: 誠信書房,2011年

© 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.