専門文献研究B

博士前期課程文学研究科 - フランス文学専攻

MHFL7530

コース情報

担当教員: 三ツ堀 広一郎

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 金4

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

出席状況

20%

授業参加

80%

詳細情報

概要

詩的散文を駆使した小説で知られるジュリアン・グラック(Julien Gracq, 1910-2007)は,1970年代以降,断章形式のエッセーを執筆の足場とするようになる。そんな後期グラックの主著のひとつ『読みながら書きながら』(En lisant en écrivant, 1980)を講読しながら,読書や執筆行為,ひいては批評,文学研究,文学理論にまつわる諸問題を検討する。 『読みながら書きながら』は,比較的短い(長くても2頁ほどの)断章を集めた文学論集である。全体は16のパートに分かたれ,それぞれに小見出しが付いている。参考までに各パートの小見出しを並べておく――「文学と絵画」「スタンダール――バルザックーーフローベールーーゾラ」「風景と小説」「終着駅としてのプルースト」「小説」「書くこと」「読むこと」「読書録」「文学と歴史」「ドイツ」「文学と映画」「シュルレアリスム」「言語」「作品と回想」「詩人たちの住処」「文学の諸世紀」。このなかから受講者各自のテーマや関心に応じて断章を選択する。選択した断章を精読しながら,文学に関する諸問題について自由に討議する。グラックの他の著作を参照したり,解説を差し挟んだりすることがある。受講者には関連文献の参照や報告を求めることがある。

目標

1)フランス語の批評的テキストを読みこなせるようになる。 2)文学作品を読むこと及び書くことにまつわる諸問題について理解を深める。 3)テキストの読解を通じて自分なりに問題(リサーチクエスチョン)を立てられるようになる。

授業外の学習

予習:各種辞書類を丁寧に引きながら,授業で指示したフランス語テキストを読み込んでおく。また授業で確認したい疑問点をリストアップしておく。 復習:授業での講読を踏まえてテキストを再読し,理解を深める。関連資料にも目を通してみる。

所要時間: 予習と復習を合わせて3時間程度

スケジュール

  1. 導入:ジュリアン・グラックと『読みながら書きながら』について
  2. 『読みながら書きながら』の講読と討議(1)
  3. 『読みながら書きながら』の講読と討議(2)
  4. 『読みながら書きながら』の講読と討議(3)
  5. 『読みながら書きながら』の講読と討議(4)
  6. 『読みながら書きながら』の講読と討議(5)
  7. 『読みながら書きながら』の講読と討議(6)
  8. 『読みながら書きながら』の講読と討議(7)
  9. 『読みながら書きながら』の講読と討議(8)
  10. 『読みながら書きながら』の講読と討議(9)
  11. 『読みながら書きながら』の講読と討議(10)
  12. 『読みながら書きながら』の講読と討議(11)
  13. 『読みながら書きながら』の講読と討議(12)
  14. まとめ

教科書

プリントを配布する。

    参考書

    • En lisant en écrivant

      著者: Julien Gracq

      出版社: José Corti, 1980

    • OEuvres complètes, tome II

      著者: Julien Gracq

      出版社: Gallimard, coll. « Bibliothèque de la Pléiade », 1995

    • 別冊水声通信 ジュリアン・グラック

      出版社: 水声社,2011年

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