英語学英語教育特講・演習A2

概要

我が国が誇る伝統文法の古典的名著『英文法汎論』の前半(総論的部分)を読む。同書はJespersen,Sweet,Onions等を参考に,細江逸記博士がその独創的文法センスによりまとめたものである。基本5文型など,日本の学校英文法に与えた影響も大きい。日本の英語学の父である市河三喜博士が「心から推奨し得る」と絶賛し,今なおその価値を失わないこの名文典の特徴は,細江博士による史的・心理的観点を含んだ洞察に富んだ解説と,19世紀の英米文学作品を中心とする格調高い豊富な例文にある。授業では,受講者に解説の朗読と例文の和訳をしてもらった後で,その記述や引用文の妥当性や意義などを,現代の言語学との比較も交えて批判的に考察し,議論する。なお,英文法の様々な側面に対する最近の言語学的知見を得るため,授業外のリーディング課題も与えられる。

目標

以下の3点を到達目標として設定する。 (1) 伝統文法の神髄を体系的かつ洞察的に理解する (2) その知見を中高での文法指導に活用する (3) 文法の様々な側面に対する最近の言語学的知見を得る

授業外の学習

授業の予習に100分,復習に30分,関連文献の読解に60分を要する。

所要時間: 190分