英文学特講・演習C1

博士前期課程文学研究科 - 英米文学専攻

MHEL7221

コース情報

担当教員: 永富 友海

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 火3

形式: 対面授業

レベル: 600

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

授業参加

50%

レポート

50%

その他

出席は必須とみなし,上記評価の割合には含めない。

0%

詳細情報

概要

当演習では,発表当時爆発的な人気を誇り,芝居への翻案,関連商品の売り出しといった商業的大成功をおさめたGeorge du MaurierのTrilbyを取り上げる。Trilbyの大ヒットは,しかしながらあくまでも大衆小説としての人気であり,オカルトや疑似科学的アイテム(automatonやautomatic writing)を小説に盛り込むことにやぶさかではなかったdu Maurierが,一方で挿絵画家として,世紀末のイギリスでOscar Wildeを領袖とする支配的な一派を形成していた耽美主義を揶揄するようなイラストを描いていたという事実は,正典作家/非正典作家というヒエラルキーの構造に不穏な一矢を放っている。 当該テクストは未訳であるが,大衆小説の常套としてリーダブルなテクストであるため,丁寧な原典講読に基づく内容把握の作業をおこないつつ,主眼はむしろテクストの精緻な分析というよりも,Trilbyを起点とする文化研究的アプローチを試みることに置いてみたい。受講者は各人の関心に従って当該テクストと関連する言説の調査をおこない,授業内で発表・共有することで,Trilbyを中心とするインターテクスチュアルな批評の実践を目指したい。

目標

(1)原典購読を通して読解力を高める (2)本テクストが置かれている 世紀末イギリスの社会的・文化的言説の様相を探る (3) 研究論文の読解を通して,本テクストの分析方法を学ぶ (4) Urテクストとの比較,当時の雑誌資料,批評からの情報収集など,批評的アプローチの基本を実践する

授業外の学習

当該テクストは翻訳がないため,予習をしっかりおこない,まずは内容の把握に努める。関連資料は授業で紹介するので,テクストを取り巻く文化的・社会的背景や批評文献など,各人の興味に従い,自発的に研究をすすめてほしい。

所要時間: テクストと関連資料の把握のために3~4時間はかけること

スケジュール

  1. イントロダクション 受講生の関心に応じて重点の置き方を変える場合には,以下の予定に変更が生じることもある
  2. テクスト精読:part 1
  3. テクスト精読:part 2
  4. テクスト精読:part 3
  5. テクスト精読:part 4
  6. テクスト精読:part 5
  7. テクスト精読:part 6
  8. テクスト精読:part 7
  9. テクスト精読:part 8
  10. 批評読解+ディスカッション
  11. 批評読解+ディスカッション
  12. 批評読解+ディスカッション
  13. 発表
  14. 発表 MLA Handbookを用いて,レポート,引用文献の基本的なフォーマットを確認する

教科書

テクストは入手が困難であるため,こちらでマスター・コピーを準備します。

  • Trilby

    著者: George du Maurier

    出版社: Penguin, 2006

参考書

授業中に適宜指示する。関連文献は随時Moodleにアップする

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