学校臨床社会学特殊講義 II
博士前期課程総合人間科学研究科 - 教育学専攻
MHED7220
コース情報
担当教員: 額賀 美紗子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金3
形式: 対面授業
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
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詳細情報
概要
21世紀は国際移動の時代といわれる。グローバル化の進展によって,人・モノ・情報が国境を越えて行き交い,一国内の多民族化・多文化化が進んでいる。人種的・民族的・文化的背景が異なる人々はどのように社会の中で共生していくことができるだろうか?教育の果たす役割は何だろうか?多様性を包摂する教育をどのように構想していけるだろうか?本授業では日本の多文化状況を考察しながら,上記の課題について国際比較の観点を入れながら検討する。とくに,移民背景のある子どもたちの生活経験に注目し,学校,家庭,地域社会が,子どもたちの学力やアイデンティティ形成に与える影響に関して理解を深める。受講者は教育に潜む権力性への批判性的視点を養い,多文化教育や市民性教育の議論を手掛かりにしながら,教育を通じた多様性の包摂や社会的公正のありかたについて考察することを期待する。
目標
1)日本社会の多文化状況およびそれによって生起する教育的課題について知識を習得する。 2)国際移動や移民の同化過程に関する基礎的知識を学び,先行研究を検討しながら,移民の子どもにまつわる教育的・社会的課題について多角的に考察する視点を養う。 3)文献購読とディスカッションを通じて,自分の研究のリサーチデザインとオリジナリティを明確化し,方法論についても具体化していく。
授業外の学習
1)課題文献を読み,授業内ディスカッションのたたき台となるショートコメントを作成する。 2)週によっては課題文献のサマリー発表を担当し,要点をまとめたレジュメを作成する。
所要時間: 150分
スケジュール
- イントロダクション:国際移動と多文化社会の形成
- グローバル時代の国際移動と多文化化する日本社会
- 日本社会の多文化化 ①オールドカマー
- 日本社会の多文化化 ②ニューカマー
- 日本社会の多文化化 ③海外帰国生
- 日本社会の多文化化 ④留学生
- 移動する子ども・若者の生活世界 ①家族
- 移動する子ども・若者の生活世界 ②学校
- 移動する子ども・若者の生活世界 ③地域社会
- 移動する子ども・若者の生活世界 ④労働市場
- 多様性の包摂に向けた社会的に公正な教育 ①アメリカの多文化教育
- 多様性の包摂に向けた社会的に公正な教育 ②日本の多文化共生と教育
- 多様性の包摂に向けた社会的に公正な教育 ③韓国の多文化生徒と社会統合政策
- 個人発表とディスカッション
教科書
額賀美紗子・芝野淳一・三浦綾希子 2019『移民から教育を考える-子どもたちをとりまくグローバル時代の課題』ナカニシヤ出版.
『移民から教育を考える-子どもたちをとりまくグローバル時代の課題』
著者: 額賀美紗子・芝野淳一・三浦綾希子
出版社: ナカニシヤ出版 2019年.
参考書
授業内で適宜指示する
『新グローバル時代に挑む日本の教育―多文化社会を考える比較教育学の視座』
著者: 恒吉僚子・額賀美紗子編
出版社: 2021 東京大学出版会