サステイナブル社会デザイン学

博士前期課程地球環境学研究科

MGGE8090

コース情報

担当教員: 中川 善典

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 火3

形式: 対面授業

レベル: 600

アクティブラーニング: なし

他学部履修:

評価方法

出席状況

20%

レポート

80%

詳細情報

概要

地球環境学は学際的な学問分野であり,様々な視点を持った人たちがそこに参画する。その中には,水や土壌や大気や生態などに関わる各種の自然科学も含まれるし,環境社会学や環境法や環境政策学などの社会科学も含まれる。ただ,どの視点を持って地球環境学にアプローチするにしても,共通の意識がその背後にあるはずである。それは,よりサステイナブルな方向に社会変革を促す動きに参画したいという意識ではないだろうか。そこで本講義では,社会変革をデザインするとはどういうことであるかについての理解を深めることを目的に設定する。 そこで本講義の第一部では,これまでサステイナビリティに関わる社会変革のデザインの実践例をいくつか外観するとともに,それらを分類・整理するための視点を紹介する。その際,EEAレポートにも依拠しつつ,社会-生態システム(socio-ecological system),社会-技術システム(socio-technical system),社会-経済システム(socio-economic system)というシステムの分類方法を採用し,それぞれのタイプのシステムの変革の実践例を紹介することとする。 https://www.eea.europa.eu/publications/perspectives-on-transitions-to-sustainability/file 次に本講義の第二部では,それらの準備を踏まえて,社会変革の一つのツールとしてのフューチャー・デザインの方法論を習得する。フューチャー・デザインとは,将来世代が私たちに「ありがとう」と感謝したくなる社会をデザインし,それを実現しようとする活動である。仮想将来人という思考装置を使用することは,フューチャー・デザインの一つの特徴である。このようなフューチャー・デザインは,第一部で紹介する各種実践例と排反なものではなく,そのいずれとも組み合わせることができるような,より大きい枠組みである。既存の実践例が,フューチャー・デザインとの組み合わせによってどのような効果を持ちうるかについても論じる。

目標

フューチャー・デザインを自ら実践できるようになる。

授業外の学習

講義内容の理解を定着させるためのレポート課題を課す。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. デザイン1.0~4.0までの意味の広がり
  2. 組織を対象としたデザイン3.0の概観(1)
  3. 組織を対象としたデザイン3.0の概観(2)
  4. デザイン4.0の実例としての社会-生態システムのデザイン(1)
  5. デザイン4.0の実例としての社会-生態システムのデザイン(2)
  6. デザイン4.0の実例としての社会-技術システムのデザイン(1)
  7. デザイン4.0の実例としての社会-技術システムのデザイン(2)
  8. フューチャー・デザインとは(1)フューチャー・デザインの基礎概念
  9. フューチャー・デザインとは(2)実験社会学的知見の蓄積
  10. フューチャー・デザインとは(3)現実の組織での適用経験の蓄積
  11. フューチャー・デザインの体験(1)テーマの設定
  12. フューチャー・デザインの体験(2)ワークショップの全体構成のデザイン
  13. フューチャー・デザインの体験(3)ワークショップの実践
  14. フューチャー・デザインの体験(4)(3)のアウトプットの分析と解釈

教科書

西條辰義氏の著書(近刊)を指定する予定である。

    参考書

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