地球環境システム学
博士前期課程地球環境学研究科
MGGE7640
コース情報
担当教員: 一ノ瀬 俊明
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 金4
形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A
レベル: 600
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
リアクションペーパー
レポート
その他
Zoom を用いてのオンラインリモート講義を含むハイフレックス授業。Zoom IDはLoyola授業掲示板に一週間前までに掲載される。毎回講義後一週間の期限でリアクション・ペーパーの提出を求める。毎回,講義に入る前に,前回分のリアクション・ペーパーにおいてなされた質問に答える。
詳細情報
概要
2019年3月に国連環境計画が発行した地球環境概観第6次報告書(Global Environmental Outlook 6: https://www.unenvironment.org/resources/global-environment-outlook-6)では,各国政府がいかに真の持続可能な未来を実現しうるのか,特に健康な惑星としての地球と,健康な人々の生活を実現するために必要な喫緊の課題にフォーカスしている。本講義では,このテキストを参考に今日の地球環境を読み解く。それと並行して,内容を理解するための基礎知識を整理していく。
目標
この報告書のシリーズ(1997以降)では環境問題を取り扱う上での考え方として,D(誘導因子)-P(環境負荷)-S(環境変化)-I(環境影響)-R(対策)のフレームワークを基本としている。この講義を通じ,それぞれの地球環境問題に対して,このフレームワークでとらえられるようになることを目指す。
授業外の学習
次回の講義に先立って,眼を通しておくべき箇所を指示する。 ・写真から読み解く地球環境 ・高校理系レベルの知識で地球環境科学の問題をとく といった課題(宿題)を毎回提示し,対話形式の学習を進める。
所要時間: 190分
スケジュール
- イントロダクション -地球システムの全体像,持続可能性とは何か -SDGsとMEAsなどの世界的な取り組みについて
- 公害や地域環境問題とはどう違うのか -身近な環境問題との比較
- オゾン層の破壊 -破壊の実態,影響,対策,将来予測
- 越境大気汚染と酸性雨 -地球大気の組成と構造 -問題発生のメカニズム,影響,対策
- 地球温暖化のメカニズム -気候はどのように移り変わってきたか -気候のメカニズム(水やエネルギーの循環),温室効果ガス
- 地球温暖化の影響と対策 -災害の動向,農業など様々な分野での適応策 -温室効果ガス排出削減と都市のありかた
- 循環型社会 -簡単な地質学のおさらい,資源の埋蔵量 -エネルギーとその消費量 -廃棄物,とくにe-wasteの現状
- 人口問題と貧困 -高齢化,途上国の現状,アフターコロナを考える
- 食糧と水資源 -農業と食糧需給,水利用 -バーチャルウォーターの考え方
- 砂漠化と陸域生態系(森林など) -土地利用・被覆変化,バイオマス,生物多様性 -エコロジカル・フットプリント,エコツーリズム
- 水域(海洋など)と沿岸域 -海水の性質,海洋大循環 -水,物質,エネルギーの動き
- 環境リスク(安心と安全) -リスクをどう評価するか,化学物質について
- アジア・太平洋地域で起きている問題 -アフリカ,ヨーロッパ,中南米カリブ,北米,西アジアはどうなっているのか
- 地球環境の将来シナリオ -地球環境問題を横断的にとらえる
教科書
2019年3月に国連環境計画が発行した地球環境概観第6次報告書(Global Environmental Outlook 6: https://www.unenvironment.org/resources/global-environment-outlook-6)
参考書
GEO‐6は各自アクセスしてほしい。それ以外は適宜,紹介する。