エネルギーと環境
博士前期課程地球環境学研究科
MGGE7210
コース情報
担当教員: 木村 浩
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 水1
形式: 対面授業
レベル: 600
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
出席状況
授業参加
レポート
その他
発表評価20%・討議相互評価30%
詳細情報
概要
エネルギー問題は,経済,環境,安全,国際関係,技術等が絡んだ複雑な問題である。2011年3月の東日本大震災に伴う原子力発電所の事故をきっかけに,エネルギー選択に関わる議論が時代の大きな要請となった。加えて,パリ協定が2016年11月に発効され,全世界で温室効果ガス大幅削減に向けて進むことになり,わが国でも2020年の菅首相の所信表明において2050年CO2排出実質ゼロを掲げられた。わが国では,排出される温室効果ガスのうち9割程度がエネルギー起源の二酸化炭素であるため,長期的視野に立ったエネルギー選択の議論が益々重要となっている。 本講義では全編を通してアクティブラーニングを積極的に取り入れる。講義前半では,エネルギーや環境に関する基礎情報を,小グループによる調べ学習を中心とした情報相互共有によって行う。講義後半では,エネルギー・環境課題を今後どのように取り扱っていけばよいかを,学生同士で討議し,また,エネルギーバランス・フローの検討を行って定量的観点からも分析し,それらを統合して,自分たちの答えを作り上げていく。講義終盤では,各々の未来社会像に向けて,今からどのようにアプローチしていくかについて総合討議を行う。 なお,討議も含めて使用言語は日本語。視聴用の動画教材は,教員のYoutubeチャンネルにUPする。 https://www.youtube.com/channel/UCxdWVsy0u8vc5CnfGlVXy5Q
目標
エネルギー・環境問題という,長期を展望した課題解決には,未来社会の主役である若い世代の積極的な参加が必須である。本講義では,エネルギーと環境問題に関わる基本的な知識を習得した後,このような長期的かつ広範であり明確な答えのない課題について,自らの意見を明確にし,討議を通じて様々な意見の広がりを認識し,お互いの意見を調整しながら,課題解決へと導く行動に,積極的に参加していく人材の育成を目指す。 本講義は,アクティブラーニング(反転授業,ディスカッション,グループワーク,PBL)により,以下の目標達成を目指す。 ・ エネルギー・環境問題に対する基礎知識の獲得 ・ 討議を通じたエネルギー・環境知識のリテラシーの獲得 ・ 討議を通じたコミュニケーション能力の獲得 ・ 将来を見通し,また,多様な状況を認識・調和できるコンピテンス
授業外の学習
本講義前半の知識習得の段階は,情報資料集および動画資料に基づいた講義および調べ学習(反転授業)を展開する。したがって,資料をあらかじめ熟読・視聴し,不明点等を明らかにしておくこと。 本講義後半は,ディスカッション,グループワーク,PBLを用いて行われるため,学生に問題解決課題と自主的な協働作業を課す。作業の進捗に応じて,学生間のコミュニケーションや作業を実施し,講義が円滑に進捗するようにしておくこと。
所要時間: 190分
スケジュール
- #1(10月2日) オリエンテーション 「エネルギーと環境」概論:エネルギーと環境,特に気候変動問題との関連を中心に情報提供 調べ学習の分担と調べ学習の実施
- #2(10月9日) 調べ学習の実施
- #3(10月16日) 発表①,質疑応答
- #4(10月23日) 発表②,質疑応答
- #5(10月30日) 参加討議型の講義:エネルギーワークショップ「2050年のエネルギー選択」 グルーピングと「2050年のエネルギー選択」第一案の作成開始(グループ討議) ① 30年後に目指すべき「理想」の未来社会像 ② 理想の未来社会の「こだわり・リスク」 ③ 温室効果ガスゼロへの取り組み ④ 未来社会の「エネルギー・電力消費量」 ⑤ 未来社会の「エネルギー供給構造」 ⑥ 以上の検討によって得られた「気づき・討議の論点や争点・残された課題」
- #6(11月6日) 「2050年のエネルギー選択」第一案の作成(グループ討議)
- #7(11月13日) 「2050年のエネルギー選択」第一案の発表 エネルギーバランス・フローの解説 第一案に則った2050年エネルギーバランス・フローの作成(グループ討議)
- #8(11月20日) 2050年エネルギーバランス・フローの作成(グループ討議)
- #9(11月27日) 2050年エネルギーバランス・フローの作成(グループ討議・続き)
- #10(12月4日) 2050年エネルギーバランス・フローの発表・質疑応答
- #11(12月11日) 2050年エネルギーバランス・フローを受けた「2050年のエネルギー選択」最終案の作成(グループ討議)
- #12(12月18日) 最終グループ発表 相互評価 全体討議
- #13(1月8日) 参考情報提供(エネルギーや環境等に関する世論調査の最新情報) 世論と輿論
- #14(1月15日・最終) 総合ディスカッション「バックキャスティング・アプローチ:如何に2050年に向かうか」 レポート課題の指示 大学授業アンケートの実施
教科書
教員が作成した動画を視聴,視聴必須動画は講義で指示。その他の関連動画も視聴を推奨。 https://www.youtube.com/channel/UCxdWVsy0u8vc5CnfGlVXy5Q
参考書
書籍情報はありません。