国際環境法
博士前期課程地球環境学研究科
MGGE6035
コース情報
担当教員: 鈴木 詩衣菜
単位数: 2
年度: 2024
学期: 秋学期
曜限: 木1
形式: 対面授業
レベル: 600
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
授業参加
授業内期末試験
授業期間中
その他
毎授業後,復習として配布する事後課題(初回授業時に詳しく説明する)を提出すること。
詳細情報
概要
環境問題に対する国際的な関心は,近年ますます高まっている。国際環境法は,国際社会の法である国際法のうち,環境保全や保護に関わる分野である。一見すると,私たちの日常生活に関係ないようにみえるが,気候変動や生物多様性などの自然環境だけではなく,ごみ問題など生活環境も対象であり,実は日常生活に密接に関係している。 本講義では,さまざまな環境条約を手掛かりに,その基本的な構造を取り上げ,環境問題に対し国家がどのように対応してきているのかを検討する。 また,具体的な環境に関わる判例や事例を通じて,環境問題を解決するために,何が守られるべきか,必要とされる対応はなにか,などについて沢山考える。多くの問いを投げかけるので,積極的に参加してほしい。 なお,講義スケジュールに沿って行うが,学生の興味や関心に応じて取り上げるテーマの内容や順序を変更する場合がある。
目標
・国際的な環境問題について法的な観点から,考察できるようになる ・各環境条約の全体像を把握し,その背景,特徴,解決すべき問題点,残されている課題を理解し,自分の言葉で説明することができる ・国際的な環境問題に対し,法的根拠に基づいて自分の見解を提示することができる
授業外の学習
授業では事前にMoodle経由でレジュメを配布する。予習では,授業のテーマに関連して,自分で調べた重要な情報などをレジュメなどに書きとめること,また授業毎に示すテーマについて考えてくること 復習では,授業毎に配布する事後課題を作成すること。課題提出は任意であるが復習を通じて理解の深化に努めること
所要時間: 予習および復習は,各2時間程度である
スケジュール
- イントロダクション:授業の概要(成績評価,授業の受け方など),国際環境法とはなにか
- 国際環境法制史(1):「環境」はいつから,どのように国際的な問題になってきたのか
- 国際環境法制史(2):国際的な環境問題と国際環境法の特質
- 大気に関わる国際法制度(1):気候変動枠組条約を中心に大気汚染と地球温暖化を中心に考える
- 大気に関わる国際法制度(2):京都議定書とパリ協定を中心に大気汚染と地球温暖化を中心に考える
- 森林に関わる国際法制度:森林保全とREDD+を中心に考える
- 生き物に関わる国際法制度(1):生物多様性の保全を中心に考える
- 生き物に関わる国際法制度(2):動植物の輸出入を中心に考える
- 水に関わる国際法制度(1):海洋汚染への対応を中心に考える
- 水に関わる国際法制度(2):河川と湿地の保全を中心に考える
- 世界遺産に関わる国際法制度:自然遺産/文化遺産の保全を中心に考える
- 廃棄物に関わる国際法制度:越境するゴミ問題を中心に考える
- 他分野の国際法制度と環境:貿易,人権,労働分野と環境分野の調整を考える
- 学期末試験と国際環境法のまとめ
教科書
毎回事前にMoodle経由でレジュメを配布する。ただし,授業テーマに応じた条約については,各自用意すること。詳細については,初回時に詳しく説明する。
参考書
国際環境法ー持続可能な地球社会の国際法
著者: 磯崎博司
出版社: 信山社・2000年
ハイブリッド環境法
著者: 西村智明・山田健吾(編)
出版社: 嵯峨野書院・2022年
シリーズ<水辺に暮らすSDGs>1 水辺を知るー湿地と地球・地域ー
著者: 高田雅之・朝岡幸彦(編)
出版社: 朝倉書店・2023年