日本語教授法演習
博士前期課程言語科学研究科
MFLJ7200
コース情報
担当教員: 小柳 かおる
単位数: 2
年度: 2024
学期: 春学期
曜限: 木3
形式: 対面授業
レベル: 600
アクティブラーニング: なし
他学部履修: 不可
評価方法
出席状況
授業参加
レポート
その他
上記のレポートとは期末のレポートのことである。その他,本のチャプターの要約発表が割り当てられる。 授業で扱う章の要約発表
詳細情報
概要
第二言語習得(SLA)研究の成果を外国語教育の現場にどのように生かせるかを考える。SLA研究からは,特に学習者の習得の認知過程を考慮したタスク中心の教授法(Task-Based Language Teaching: TBLT)が提唱されているが,関連文献を読みながらTBLTのあり方を探る。そして,タスクの教材を検討したり,タスクに関する教材ユニットをデザインしたりすることにより,TBLTへの理解を深める。また,早くからタスク的な要素を取り入れていたのがEnglish for Specific Purposes(Academic Englishなど)だと言われていたが,現在はヨーロッパを中心に内容言語統合型学習(Content and Language Integrated Learning: CLIL)も提案されている。よって,本コースでは,CLILの理論的な枠組みや実践についても学ぶ。
目標
TBLT及びCLILの理念や理論的枠組みを理解した上で,既存の教材,教案などを批判的に検討する目を養う。また,ニーズ分析から評価も含め,カリキュラム策定に必要な知識を身につける。
授業外の学習
予習として授業で扱う論文や専門書を読む(120分) タスク教材を探し検討したり,タスクの教材ユニット作成などの宿題をする(70分) その他に,論文や本のチャプターの要約発表の担当がある場合は,その準備が必要になる。
所要時間: 190分
スケジュール
- オリエンテーション
- タスク・ベースの発想と言語教育の方法論(2章)
- タスクベースの言語指導と認知のメカニズム(3章)
- タスク・ベースの言語指導をめぐる問題(4章)
- 教材の準備・活用(5章)
- 年少者の教室指導(小学校)(6章)
- 初中級の教室指導のあり方(中高)(7章)
- 上級の教室指導のあり方(大学)(8章)
- 言語・言語発達・言語使用(9章)
- タスクによるニーズ分析
- タスクによるシラバスデザイン
- タスクによる評価
- 内容言語統合型授業(CLIL)
- 内容言語統合型授業(CLIL)
教科書
英語教育の本であるが,授業では各チャプターを読んだ上で,日本語教育に置き換えて考察する。
タスク・ベースの英語指導ーTBLTの理論と実践
著者: 松村昌紀
出版社: 大修館書店, 2017年
内容言語統合型学習ー上智大学外国語教育の新たなる挑戦
著者: 渡部良典・池田真・和泉伸一
出版社: 上智大学出版
参考書
第二言語習得について日本語教師が知っておくべきこと
著者: 小柳かおる
出版社: くろしお出版, 2020年