日本語教授法演習

博士前期課程言語科学研究科

MFLJ7200

コース情報

担当教員: 小柳 かおる

単位数: 2

年度: 2024

学期: 春学期

曜限: 木3

形式: 対面授業

レベル: 600

アクティブラーニング: なし

他学部履修: 不可

評価方法

出席状況

10%

授業参加

10%

レポート

50%

その他

上記のレポートとは期末のレポートのことである。その他,本のチャプターの要約発表が割り当てられる。 授業で扱う章の要約発表

30%

詳細情報

概要

第二言語習得(SLA)研究の成果を外国語教育の現場にどのように生かせるかを考える。SLA研究からは,特に学習者の習得の認知過程を考慮したタスク中心の教授法(Task-Based Language Teaching: TBLT)が提唱されているが,関連文献を読みながらTBLTのあり方を探る。そして,タスクの教材を検討したり,タスクに関する教材ユニットをデザインしたりすることにより,TBLTへの理解を深める。また,早くからタスク的な要素を取り入れていたのがEnglish for Specific Purposes(Academic Englishなど)だと言われていたが,現在はヨーロッパを中心に内容言語統合型学習(Content and Language Integrated Learning: CLIL)も提案されている。よって,本コースでは,CLILの理論的な枠組みや実践についても学ぶ。

目標

TBLT及びCLILの理念や理論的枠組みを理解した上で,既存の教材,教案などを批判的に検討する目を養う。また,ニーズ分析から評価も含め,カリキュラム策定に必要な知識を身につける。

授業外の学習

予習として授業で扱う論文や専門書を読む(120分) タスク教材を探し検討したり,タスクの教材ユニット作成などの宿題をする(70分) その他に,論文や本のチャプターの要約発表の担当がある場合は,その準備が必要になる。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. オリエンテーション
  2. タスク・ベースの発想と言語教育の方法論(2章)
  3. タスクベースの言語指導と認知のメカニズム(3章)
  4. タスク・ベースの言語指導をめぐる問題(4章)
  5. 教材の準備・活用(5章)
  6. 年少者の教室指導(小学校)(6章)
  7. 初中級の教室指導のあり方(中高)(7章)
  8. 上級の教室指導のあり方(大学)(8章)
  9. 言語・言語発達・言語使用(9章)
  10. タスクによるニーズ分析
  11. タスクによるシラバスデザイン
  12. タスクによる評価
  13. 内容言語統合型授業(CLIL)
  14. 内容言語統合型授業(CLIL)

教科書

英語教育の本であるが,授業では各チャプターを読んだ上で,日本語教育に置き換えて考察する。

  • タスク・ベースの英語指導ーTBLTの理論と実践

    著者: 松村昌紀

    出版社: 大修館書店, 2017年

  • 内容言語統合型学習ー上智大学外国語教育の新たなる挑戦

    著者: 渡部良典・池田真・和泉伸一

    出版社: 上智大学出版

参考書

  • 第二言語習得について日本語教師が知っておくべきこと

    著者: 小柳かおる

    出版社: くろしお出版, 2020年

© 2025 上智非公式シラバス. All rights reserved.