日本語社会言語学

博士前期課程言語科学研究科

MFLJ7140

コース情報

担当教員: 大場 美和子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期

曜限: 金4

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

授業参加

10%

レポート

50%

その他

授業内容に関連した課題を出すので,授業中のディスカッションを踏まえて回答する。

40%

詳細情報

概要

本授業では,社会言語学の中でも,会話データ分析に焦点をあて,言語と社会の関係について考察する。 会話データ分析は,会話を録音・録画・文字化してデータとすることで,普段,無意識に行っている会話で何が起こっているのかを,具体的,客観的に分析することができる。具体的に記述された会話データを検討することで,日常生活では意識化しにくい社会言語的規則,会話に反映される社会の問題について考察する。 本授業では,特に,日本語教育の観点から,異文化接触場面の会話データに着目する。その上で,会話データ分析の研究成果をいかに社会の実践で活かすのかについても話し合う。

目標

・社会における問題を,会話データ分析から捉える視点を学ぶ。 ・会話データ分析の研究成果を社会の実践で活かす視点を学ぶ。

授業外の学習

予習 次の授業内容に関して,日常生活で関連する会話の現象を考えてくる。 可能であれば,その現象に関連する先行研究を調べる。 復習 授業内容に関連した課題を出すので,授業中のディスカッションを踏まえて回答する。 授業で取り上げた研究事例の文献を授業後に読んで復習する。

所要時間: 190

スケジュール

  1. ガイダンス,会話データ分析と日本語教育の関係 以下の授業スケジュールは,受講生の状況により変更することがありうる。
  2. 日米の聞き手の言語行動の分析
  3. 接触場面の質問による話題開始の分析
  4. 日中の話題開始の方法の分析
  5. 日韓の議論のしかたの分析
  6. 多人数会話における次話者選択の分析
  7. メディアにおける女性の話し方の特徴の分析
  8. ニュースにおける専門家の話し方の分析
  9. 高齢者の話し方とコミュニケーション問題の分析
  10. 介護の業務のやりとりの分析
  11. 裁判のやりとりの分析
  12. 会話のスタイル,全体の復習
  13. 言語計画とウェルフェア・リングイスティクス
  14. 会話データ分析の研究計画の検討

教科書

現時点では指定しない。授業時に文献情報を伝える。

    参考書

    • 文献・インタビュー調査から学ぶ会話データ分析の広がりと軌跡 研究から実践まで

      著者: 中井陽子編著・大場美和子・寅丸真澄・増田将伸・宮﨑七湖・尹智鉉著

      出版社: ナカニシヤ出版・2017

    • 会話データ分析の実際 身近な会話を分析してみる

      著者: 中井陽子・大場美和子・寅丸真澄

      出版社: ナカニシヤ出版・2022

    • 社会言語学の展望

      著者: 真田真治編

      出版社: くろしお出版・2002

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