日本語教授法(初級)
博士前期課程言語科学研究科
MFLJ7100
コース情報
担当教員: ペレラ柴田 奈津子
単位数: 2
年度: 2024
学期: 2Q集中
曜限: その他
形式: 対面授業+オンライン授業(オンデマンド授業,同時双方向型授業(Zoomなど)) /Alternating face-to-face & A
レベル: 500
アクティブラーニング: あり
他学部履修: 可
評価方法
レポート
その他
ポートフォリオ(活動成果とリアクション)
詳細情報
概要
日本語教育において初級クラスでは何を目指すべきでしょうか。 伝統的な文型積み重ね方式の構造シラバスでは,まずいわゆる基本文型とされる文型や文法を網羅することが初級の目的になっています。しかしコミュニケーション能力の重要性がより高まる今日の日本語教育において,形式中心の教授方法に疑問が持たれ始めています。本コースでは,初級レベルでは基本文型を学ぶという既成概念から解放された,意味と言語活動重視のクラスのあり方を探ります。日本語教授方法として確立してきたドリル中心の教室活動を見直し,体験型,獲得型アクティブラーニングに基づく言語活動を中心とする教授法を,背景理論と共に実際に体験します。これからの日本語教育のあり方を探るワークショップ主体の集中コースとなります。
目標
履修者は従来の文型・構造シラバスを批判的に見てみることで,新たな初級教授法の方向性や可能性に気づき,教案を作成して互いに試行し改善点を見つけるところまでを目標とします。そのプロセスで社会的体験から知識と理解が促される過程を振り返り,共有することで自らの学びを深めていきます。
授業外の学習
課題図書,共同振り返り,教案作成,グループワーク
所要時間: 190分
スケジュール
- 初級構造シラバスの批判 各種スタンダード(JF,CEFR,US)
- ドラマ手法の導入(ウォームアップエクササイズ) 技能の統合(フォトランゲージ)
- CLT (Communicative Language Teaching)からSCT (Sociocultural Theory) へ
- 初級のロールプレイ1(Teacher-in-Rrole,小噺)
- PPP (Present-Practice-Performance) から TTT (Task-Teach-Task) へ フリップ授業
- 初級の翻訳(J-Pop Translation Lab)
- 理論セミナー録画視聴とふりかえり
- 日本語教育関連の学会参加/視聴とふりかえり
- 体験型活動案作成
- 初級のアクティブラーニング(ジグソー)
- 初級のロールプレイ(ホットシーティング)
- 初級のロールプレイ2(ステイタスワーク)
- 体験型活動の模擬実践
- 体験型活動の模擬実践
教科書
教科書及びハンドアウト
アクティブ・ラーニングとは何か
著者: 渡部淳
出版社: 岩波新書
The Routledge Handbook of Sociocultural Theory and Second Language Development
著者: James P. Lantolf, Matthew E. Poehner, Merrill Swain (Eds)
出版社: 2018 Routledge ebook (ISBN 9781315624747)
日本語教育のフロンティアー学習者主体と協働
著者: 小川貴士
出版社: 2007 くろしお出版
参考書
学びを変えるドラマの手法
著者: 渡部淳+獲得型教育研究会編
出版社: 旬報社