言語障害研究特殊講義H(小児の運動性構音障害・摂食・嚥下障害)/SPEC'L STUDIES

博士前期課程言語科学研究科

MFLC7151

コース情報

担当教員: 虫明 千恵子

単位数: 2

年度: 2024

学期: 秋学期集中

曜限: その他

形式: 対面授業

レベル: 500

アクティブラーニング: あり

他学部履修:

評価方法

授業参加

40%

レポート

30%

授業内期末試験

授業期間中

30%

詳細情報

概要

出生前や周産期に脳に損傷を受けた児は,運動障害を有し,哺乳や食べることにつまづく。さらに,認知,言語・コミュニケーション能力に発達の遅滞や偏りが生じる。発声発語の問題をもつ場合もある。本講義では,1.定型的な摂食嚥下機能の発達と,身体運動発達,発声発語,認知発達などの関連性を学び,食べることや発声発語に問題をもつ子どもの支援に必要な視点および支援の考え方や方法について学んだ後,2.脳性麻痺児や重複障害児の認知,言語・コミュニケーション障害の内容や特性,ライフステージに沿った支援の考え方や方法を学ぶ。

目標

小児の定型発達について,口腔形態,口腔機能,摂食嚥下機能と身体運動,認知,言語・コミュニケーション発達との関連について理解する。 脳性麻痺児や重複障害児の障害の内容や特性を知る。 言語・コミュニケーションおよび摂食嚥下機能について,ライフステージに沿った支援の考え方や方法について理解する。

授業外の学習

予習:テキストを通して学習する。 復習:講義資料およびテキスト,参考書を用いて理解を深める。

所要時間: 190分

スケジュール

  1. 以下は予定であり,授業の進捗状況により各テーマの回数は変更することがありうる。 定型発達の口腔形態,口腔機能,摂食嚥下機能の発達について身体運動,認知,音声などの発達との関連性を学ぶ。摂食嚥下機能の定型発達の過程について知識を得る。
  2. 定型発達児の摂食嚥下機能の発達過程について学ぶ。
  3. 食べることが困難な子どもの基礎疾患による障害の特性,障害の重症度やライフステージにみられる経過について学ぶ。
  4. 子どもの摂食嚥下機能の観察点,評価方法についての知識を基に,問題点を明らかにし,仮説を立ててアプローチする過程を学ぶ。
  5. 年齢や障害のタイプ,重症度別に摂食嚥下障害のある子どもたちへのアプローチについて,臨床場面の映像を供覧しながら考え方や方法について学ぶ。
  6. 脳性麻痺児にみられる障害の特性とその発達について学ぶ。
  7. 定型発達を参照しながら,脳性麻痺児の言語・コミュニケーション発達の特性,評価および支援について学ぶ。
  8. 発声発語のメカニズムの基礎知識に基づき,脳性麻痺児の発声発語の特性および評価方法について学ぶ。
  9. 脳性麻痺児への発声発語訓練の方法について映像をみながら学び,身体へのアプローチや食物を用いた口腔へのアプローチ方法について学ぶ。
  10. 重症心身障害児者の言語・コミュニケーションの発達の特性,評価について映像を供覧しながら学ぶ。
  11. 脳性麻痺児および重症心身障害児者の拡大・代替コミュニケーション手段(AAC)についての考え方および支援の方法について学ぶ。
  12. 脳性麻痺児および重度・重複障害児のライフステージに沿った支援について,母子相互作用や障害受容を含めて学ぶ。
  13. 「療育」について考え方や内容を学び,療育施設や特別支援学校での言語聴覚士の役割を知る。
  14. 講義全体を通してのまとめと試験

教科書

講義時に随時,追加する。

  • 特別支援学校における構音障害のある子どもの理解を支援

    著者: 加藤正子 他編

    出版社: 学苑社・2012

  • 摂食嚥下障害学 第2版

    著者: 藤田郁代シリーズ監修・椎名英貴 他編

    出版社: 医学書院・2021

  • 言語発達障害学 第3版

    著者: 藤田郁代シリーズ監修・深浦順一 他編

    出版社: 医学書院・2021

参考書

講義時に随時,追加する。

  • 子どもの摂食・嚥下障害 その理解と援助の実際

    著者: 北住映二他編

    出版社: 永井書店・2007

  • 地域言語聴覚療法学

    著者: 藤田郁代シリーズ監修・半田理恵子他編

    出版社: 医学書院・2019

  • 言語聴覚士のための臨床実習テキスト(小児編)

    著者: 深浦順一他編著

    出版社: 建帛社・2017

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